また映画の話が続いているのだけど、先日、ジャンゴ 繋がれざる者を見てきました。


3年ぶりくらいの、タランティーノ映画なので、すっごく上映を待っていたんだけど、上映がやっとはじまったと思ったら、あっという間に終わってしまった。


日本では今ひとつだったのね。



chip&chips


今年のアカデミー賞脚本賞を取りました。


前回のタランティーノ作品、ブラッドピットの、イングロリアスバスターズも、すっごく好きだった~ラブラブ!

エンドロールもずっと余韻に浸っていたくらい。


イングロリアス~はユダヤ人にフォーカスをあてた戦争もので、やはりマニアックな映画に仕上がっていたのだけど、すっかり映画に入り込みすぎて、しばらく現実に戻れなかったの。


すごい映画だー!と、興奮したのを今もおぼえてます。


今回は、南北戦争頃の黒人問題にスポットをあててます。

黒人がどれだけ虐げられ、どれだけ残虐な扱いを受けていたのかというのもよく分かるし、そんな状況の中で、黒人に味方する白人、白人にとりいって他の黒人を虐げる黒人、単に黒人が差別されていましたっていうような映画とは、一味もふた味も違う。

奴隷問題にこれだけフォーカスをあてた映画って、そんなにないんじゃないかな。


3時間近くもある映画なので、ちょびっとだけ、現実世界に戻されてだれてしまった時間もあったけど、後半は一気にタランティーノらしい銃撃戦が続き、すごく見応えあります。


そんなに飛び散らないでしょ~って思いながら、その演出にも脱帽。

この悪趣味とも言えるシーンが、あちこちにあるのはタランティーノならではなのだけど、そこは好き嫌いがわかれるんでしょうねー。



そして、俳優陣がまたいい!


ディカプリオの、極悪非道な白人農場主がとにかく悪い。常に笑顔なんだけど、その笑顔がめっちゃ悪いの。

この人はすごく演技派で、私は大好きなんだよね。

ワールドオブライズとか、ギャングオブニューヨークとかすごくよかったなあ。


ディカプリオのお姉さんも、常に優しい笑顔でおしとやかで上品そうな人なんだけど、この人もすごく悪いの。

最後のシーンも、そこまで飛ばさなくってもって笑ってしまった。


それから、最初は誰か分からなかったくらい。

奴隷頭の、サミュエルLジャクソン。めっちゃ嫌な役がぴったりはまってた。


もう一人の主役、ドイツ人の賞金稼ぎ役のクリストフヴァルツも、存在感たっぷりで、変な言い方だけど、安心して見れたというか、この方もぴったりの適役でした。


最後ジャンゴが立ち去って行くシーンなど、いろんな映画のいいところをまたぎゅっと凝縮していて、映画マニアの彼ならではの映画になってました。


ほんとに、この監督は、映画が好きなんだなあと思う。

独自の世界を持っていながら、それをちゃんとエンターテイメントに仕上げて、いろんな人が楽しめる映画になっているところが、ほんとにすごいと思う。


そして、ジャンゴは、今までタランティーノがよく使っていた、時系列がくるくる変わったり、といった技?が見られなくて、きちんとストーリーがちゃんとあって、お姫様救出というハッピーエンドまできちんと筋が通ってるあたりが、とても見やすい内容になってると思う。


しかし、皆はじけて演技してたなあ。

悪い役の人は、ここまで悪くなる?っていうくらい、悪い。

楽しんで演じてるのが、なんだか伝わってきた。



ただ、主人公のジャンゴだけがすごくまともに演じてたような印象を受けました。

そのせいか、ちょびっとだけ、他の俳優さんたちに比べると、すこし印象が薄いかなって思っちゃった。


あとは、南部英語もみどころかもしれない。

すごい英語だ~って思いながら、聞いてました。

ディカプリオのお姉さん、ララって名前がララに聞こえない。

3兄弟と探していて、農場を案内してくれていた女奴隷からジャンゴが聞きだそうとするシーンがあるんだけど、この女奴隷の英語もすごかったなあ。



黒人の人がみたら、すごく最後のシーンなんかは溜飲が下がるんじゃないかなあ。

タランティーノにしか撮れない映画のような気がします。

タブーに挑戦できる、数少ない監督さんかなって思う。


次回作も、たのしみに待ってます☆



というわけで、昨日書いた、クリントイーストウッドのミリオンダラーベイビーは、ほんとに正統派という感じで、細かい伏線やサブストーリーなんかもきっちり組み込まれていて、最後に泣かせるクライマックスまで、これぞ映画!っていう内容だったと思うのだけど、このジャンゴは、また違う意味で、映画好きのための映画って感じがします。


ジャンゴはすごくマニアックなんだけど、 何かの映画で見たようなシーンがあちこちにあったり、勧善懲悪だったり、映画のいろんな要素が詰まっていると思う。すごく娯楽作品に仕上がっているし。


すごく対照的だな~って思って、また今日も映画の話にしてみました。

どちらも、好き嫌い分かれると思うけど、好きな人はすごく好きだと思う。

私はどっちも好きだったけど、どっちかって言われたら、ジャンゴだなあ。

はじけっぷりが、ほんとにすごかったニコニコ