先日、フライトを見てきました
予告とかで、ストーリーはわかるし、実はそんなに、これは絶対見たい!と思いながら見た映画ではなかったの。
フライトくらいしか、今見るものないなあと思って。
でも、とってもよかった。
冒頭は、おそらく世の中の男性は皆、目が覚めて画面にくぎ付けになると思う(笑)
そこから緊迫の飛行機事故、そしてその後もずっと、こっちもすごく苦しくなってくるのは、やっぱりデンゼルワシントンの圧倒的な演技力と存在感でしょう。
物語のラスト部分、きっと見てる人全員が、だめだよ、だめだめ…って思っているところに、あーってなる場面があるのだけど、ちょうどいいところで、私の少し後ろあたりに座っている人が、「Shit!」って言ったの。
まさに、その通り。
私も心の中でそう言ってたよ。
見終わってから、あっ英語だったなって思ったのだけど。
外国人の人だったのかもしれない。
憎しみ、孤独、苦しみ、弱い部分、いろんな人間としてのマイナスな部分が、これでもかとつきつけられる感じ。
この役のために、太ったデンゼルワシントンの体にも注目です。
最後は、ちゃんと救いがあるのだけれど。
他の俳優陣も、すごくいい。
ところで、映画の前半、飛行機事故後、デンゼルワシントンが入院していた病院で、麻薬でかつぎこまれた女性、ガン患者の男性の3人が、病院内の裏の階段で話をするシーンがあるの。
ガン患者さんは、地下からちょっと脱走してきていて。
このがん患者が2人に向かって、饒舌にいろいろとしゃべるの。
顔色も悪く、もうターミナルなのがわかるのだけど、その人の言葉が印象に残りました。
「毎朝毎朝が、すごく特別なんだ。息をするのも、美しい」みたいなことを言ったの。(ちょっと違うかもしれないけど、こんな感じのこと)
もう死期が近いことを知ってて、そう言ったの。
ほんとにそうなんだと思って。
朝起きて、また一日が始まるって、ほんとはすごいこと。
それを何気なくやり過ごすか、ありがたいなって朝日を見て思えるか、全然一日が違うような気がする。
皆いつかは死ぬわけなんだけど、そうした一日一日で、成り立ってる人生だよね。
永遠に続くものではなくて、いつかは終わってしまう限りあるもの。
そう思うと、一日がすごく貴重だなあって思う。
今日私は、精一杯生きただろうか。
誰かのために何かすることができただろうか。
自分のやりたいことがちゃんとできたかな。
大好きな人に、大好き、ありがとうって言えたかな。
バタバタしてると、気がつかないことっていっぱいあるけど、ちょっとしたところに、幸せってあるんだなあと思う。
そして、こうして、映画でも小説でも、何か一つでも心に残るシーンや言葉があるなら、その作品は、その人にとって名作になるんだろうなって思う。
苦しい映画だったけど、見てよかったな。
いろんな人が、いろんな問題を、大なり小なり抱えてるとおもうんだけど、それを乗り越えたときって、すごく成長して学ぶことがあるんだと思う。
そして、ああよかったなって思える瞬間って、息をするのも幸せなんて思えたりするように、実はすごく身近にあるんだろうな。
うーん、映画っていいなあ。