ずっと黙って車に乗っていた娘が、家に着いたら神妙な顔をしてふっと言う。
「私、まだ、将来何になりたいか、分からないんだよ」
そうか。
今年10歳になった娘。
そんな年になったか。
なんて、のんきに感慨深く思っている場合じゃなくてさ。
もう小学4年生も折り返し。
うちは地域柄もあって中学受験をするつもりはないけれど、都市部なんかでは、中学受験に向けて動きはじめる頃なんだろうな。
そういう子達と、少なくとも大学受験では競争しなければならないわけで。
っていうか、将来何になりたいのか、どういう方向に進みたいのかがわからないと、どの大学を受けるかまでもたどり着かないでしょ。
なんていう思いをアタマに浮かべながら、娘に「そうだよね。じっくり考えて、何になりたいのか、探して進んでいけばいいよ。そうだ、『13歳のハローワーク』っていう本、読んでみようか。村上龍っていう人が企画した本でさぁ、色々な仕事が紹介されてるんだよ」
「”はろーわーく”って何?」と娘。
「もともと大人で仕事を探している人に仕事を紹介する役所なんだけど、『13歳のハローワーク』っていうのは、それをまねして子供向けの職業カタログみたいにしてさ、、」なんてゴチャゴチャ説明してたら、聞いてるのが面倒くさくなったからか、私の説明があまりに稚拙だったからか、それをさえぎって娘ったら。
「だってさ。私、もう10歳だし。10代だよ。まだ、ティーンじゃないけどさ」とキッパリ。
ふぅ。そうだね、ティーンエイジャーまでもう少し。
色々、一緒に将来のことを考えていこうと思った未熟なハハでした。
子供達の将来を決めることはできないけれど、色々な選択肢を示してあげて、その選択肢の可能性とか、メリット・デメリットとか、その子の得意・不得意とかを冷静に評価して、その上で進むべき道を子ども自身が自分で選べるような環境を与えてあげるのも、親の大事な仕事ですな。
いやはや、子育てには本当に様々な段階があり、本当に面白いものです。
そんなことをさせてくれる子供達に、本当に感謝です。
「13歳のハローワーク」、公式サイトもできているのですね。こちら。
今度子どもと一緒に見てみよう。