3月の節句も終わり、雛様を片付けた途端、少し早いけど、今度は息子の兜を出す。息子の初節句に、私の両親が買ってくれた兜。潔白と威厳ある武将をイメージした白い威し糸。
今年は、それこそ、20年以上振りに、母が、私の兄の兜も出した。私の記憶にないくらい、久しぶり。
座敷に2つ並んだ、5月節句の兜。
作られたのは、30年以上も違うのに、時代を感じさせないのは、それが伝統と言われるゆえんか。
息子は、自分の兜を飾ってもらったことが嬉しくて嬉しくて、何度も座敷に行っては、伯父と自分の兜を交互に指差し、「コレは、おじちゃんの。コレは、おーの!!」と飛び跳ねてクルクル回る。リビングから廊下を通って洗面所に手を洗いに行くときですら、開けっ放しのふすまの向こうの奥の部屋の兜をさして、「アレ、カブト!」と言う。
大きくなったな。
来年は、どんなこと言って、自分の兜を見るんだろう?
再来年は?その次は?その次は?
私は多分、何かない限りずっと毎年、兜を飾るんだろう。
兜を飾っては、息子が生まれてからそれまでに大きくなったことを、振り返るんだろう。
あんなこともあった、こんなこともあった、って暫くしんみりと兜を眺めるんだろう。
そうして、毎年毎年、息子は大きくなっていくんだろう。
そうして、私は、毎年毎年、母親なんだろう。
息子が、元気にすくすくと、幸せに育ちますように。