馬刺しと鯉こく | Chipapa の備忘録

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忘却は、人間の味方であり敵であり。。忘れたくない珠玉の思い出達を書いていこう♪

群馬県は、海無し県。勢い、鮮魚など、海のものが名産になるわけがない。

その代わりかなんだか知らないけれど、小さい頃から食卓に並んでおいしいなぁと思ったのは、山のものであることが多い。群馬を出てから、実は珍味だったのでは、と思ったのが、「馬刺し」と「鯉こく」。

馬刺しは、群馬県だからというわけではないかもしれない。親戚に食肉関係の仕事をしている人がいて、その人に毎年末になると、安く馬刺しを買ってもらって、食卓によく並んだ。ウマイ♪今年も例外ではなく、正月の御節料理の隣りにも並んでいたもので、日本酒をチビリチビリとなめながら楽しんだ。やっぱり、ウマイ♪

鯉こくは、こちらこそ、珍味かも知れない。鯉の味噌汁みたいなもの。こちらの方は、幼い頃は本当によく食卓に並んでいた。鯉を骨ごと鍋に入れて、グツグツ煮る。圧力鍋を使えば、骨までホクホクになる。で、味噌で味をつけて食べる。豚汁の鯉版みたいなもの、と言ったら分かりやすいか。でも、豚汁みたいに野菜は入っていない。鯉だけ。最近は見かけないけれど、小さい頃は、近所のスーパーにも普通に鯉こく用の鯉肉が売られていた。

鯉こく用に、と生きた鯉をもらったこともあった。でも、当時小学生だった、兄と私は、その鯉を殺してしまうのがかわいそうでたまらない。水槽で飼い始めた。鯉だ。大きい。水槽は、今考えると、60cmサイズっていうのかな、あまり大きくない。鯉は、窮屈そうだった。方向転換もできない。だから、身体の方向を変えるときは、ジャンプする。バシャーンとすごい音をたて、ザバーっと豪快な水しぶきを立てて、方向転換する。それでも、上手に水槽の中に戻るから感心した。

そんな状態だから、鯉もあまり長くは生きられなくて、数週間で逝ってしまった。鯉こくには、されなかった。情が移ったのかな。なんでだろ。立派な鯉だったから、うまかったかもしれないし、運動不足で、まずかったかもしれない。けど、どっちにしても、食べなくて良かったかな。だって、ただ鯉こくにされてしまうよりは、こうやって、四半世紀以上も経ってからも、私達家族の記憶に残っていて、お正月の家族の談話の中で、「あの時、鯉を飼ったっけ」なんてあったかい話題に上がるし、子供達にも語り継がれていくんだから。

珍味にまつわる思い出も、楽しいものだな。
珍味とか、食事が良いのは、その味や食べたということそのものだけじゃなくて、それに付随して、誰と食べた、どこで食べた、どんなことを話した等々、素敵な思い出だけが研ぎ澄まされて、長いこと心に生き続けるからなんだろう。
これからもおいしいものを、大切な人たちと一緒に食べたいものだな♪