家族の記憶 | Chipapa の備忘録

Chipapa の備忘録

忘却は、人間の味方であり敵であり。。忘れたくない珠玉の思い出達を書いていこう♪

シングルマザーになって、実家で両親と暮らすようになって初めて行った夏の家族旅行の記念に、娘と息子に一つずつ、おもちゃを買ってあげた。ホテルの売店で、子供達二人に選ばせて。


娘@5歳が選んだのは、手作りのビーズ・ジュエリー・セット。部屋に戻って、早速、ネックレスを作った。拾った貝殻を入れた缶に、大切そうにしまった娘は、家に帰ってからも、取り出しては、つけてみたり、しまったり。そのたびに、「海、楽しかったね♪」なんて言うから、嬉しくなっちゃう。


息子@2歳が選んだのは、大型バスのおもちゃ。ブルドーザーとか、シャベルカーとか、消防車とか、カッコよくて派手な働く車だってたくさんあったのに、何故か、バス。「バシュー」と言ってすごく嬉しそう。家に帰ってからも、ずっと持ち歩き、夜も手に握って寝るほど。ここまで気に入ってくれると、私も嬉しくて。だって、初めて行った家族旅行の記念というだけじゃなくて、息子が、初めて自分の意思で選んだおもちゃなのだ。


なのに、そのバスのおもちゃを、買い物に行ったときに息子が乗った子供用のカートの中に忘れてきてしまった。息子に、「手に持っていなさい」って言ったのに、下に置く、ときかなくて、そのまま置いてきてしまったのだ。


家に帰って気がついて、すぐに取りに戻ったけれど、もう、ない。スーパーの遺失物係りに届け出てきたけれど、連絡はない。


その日の夕方、娘と二人で別の用事でスーパーのそばまで行ったから、もう一度寄ってみた。カートの中を一つ一つのぞいてみた。でも、ない。遺失物係りにも、まだ届いていないという。


一緒に探してくれた娘が、「ねー、もうちょっとさ、あきらめずに探そうよ。あっちの方にあるかもしれないよ」なんて、励ましてくれる。「うん。でも、ないよ」という私に、娘は「でもさぁ、ホントになかったら、しょうがないよ。だって、おーくん、赤ちゃんだもん。なくしちゃいけないんだったら、おうちにおいておかなけりゃいけないのよ。おねえちゃんのネックレスみたいに」なんて、大人みたいなことを言う。



でも、ない。

なくなっちゃったんだ。。。

誰かが持っていってしまったんだとしたら、それはそれで、淋しいことだけど、それにしても、ない。


どっちかというと、息子本人は、自分で置いてきちゃった事を自覚しているのか、あっさりしている。たまに思い出したように、「バシュー」というけれど、「だって、スーパーにおいて来ちゃったじゃない」というと、仕方がないかな、って、別のおもちゃで遊び始める。


けど、あきらめきれないのは、私の方。

たいしたおもちゃじゃないのに。

どこにだってあるような、中国製のバスのおもちゃ。

だけど、特別なんだ、親である私にとっては。

だって、初めての家族旅行で、初めて息子が自分で選んだおもちゃだから。

息子本人は、まだ小さいから忘れちゃっているみたいだけど、私にとっては、忘れられないんだな。


私の両親にとっても、そうだったのかな。

初めて私が歩いたこと、初めて何かをしたこと、やってあげたこと、とか、色々。

私は何にも覚えていなくても、親にとっては、かけがえのない記憶。



けど、ちょっと時間がたってきたら、仕方がないかな、って思えるようになってきた。

初めてのおもちゃの思い出があれば良いし、これから、またたくさん家族旅行に行けば良い。

そして、また、記念に何か、買ってあげよう。

記念のたびに、たくさん楽しい思い出をつくって、何か一つ、おもちゃでもなんでも、好きなものを選んでもらおう。


そうやって、家族の楽しい思い出、あったかい記憶を、たくさんたくさん、作って行こう♪