この物語は 創作物語です。
登場人物は、実在人物とは無関係です。
【里親委託制度】
僕はこれを申請して
あの子を引き取ることにした
そうそう
この子の名前はシン
ヒロには・・・
引き取るということは話したが
一緒に暮らそうとは言い出せていない
”虐待”の連鎖を恐れている彼が
自分から”家族になりたい”と
言い出さない限りは
こちらから誘っていいものか
最悪な事態になった時
彼は僕を責めるだろう
いや それよりも
彼が自分自身を責めるのは避けたい
手続きが無事に完了し
僕はシンを引き取り
家に連れ帰った
家に入るとすぐに
キョロキョロとあちこち歩き回るシンの様子に
ヒロを探しているんだと思った
僕は飾ってあったヒロの写真を見せ
いないというジェスチャーをする
するとシンは
またあの”つまらない”カードを出す
だよねー・・・
いつも３人一緒だったんだから
困ったなぁ・・・
その夜も
ヒロがいないことに不機嫌なシン
腕組みをして
ふくれっ面で
僕を睨む
でも
そんなことすら
なんだか 愛らしすぎて
ハグしたくなる・・・
僕は翌日
シンを連れて
ヒロに会いに行った
「ちょっと ご機嫌斜めなんだ」
そういって僕はその場を離れ
とりあえず
二人っきりにしてみた
シンはまたメッセージカードを取り出し
ヒロに見せる
wǒ shēng qì （うぉ-しぇんち-）
我生气!(僕は怒ってる)
そんなシンに
何が気に入らないのかわからないヒロは
ふざけて
不機嫌な顏真似をして見せる
ぶぅ～～～
するとシンはヒロに
一枚のメモを手渡す
それを読み
改めてシンの顔を見つめるヒロ
シンもヒロの顔をじっと見つめる
僕は物陰から二人の様子を見ていた
「❓」
何を書いてたんだろう？
エピローグ
外出前
ショウに内緒で何かを書いているシン
ショウは妈妈になってくれたのに
ヒロは爸爸になってくれないの？
妈妈＝まーま＝ママ
爸爸＝ばーば＝パパ
つづく
