この物語は創作物語です。
登場人物は、実在人物とは無関係です。
僕とヒロの距離は近づき
一緒に過ごすことが増え
度々 家にも遊びに来てくれるようになった
ヒロは僕の家に来ると
必ず
ベランダからしばらく外を眺める
確かに眺めはいいけど
ビルばかりで何がそんなに面白いのか?
僕は 自然があった方が好きだな🌳
世の中って
こんなに広いんだね・・・
「高いね!」とか「眺めがいいね」
とかではなく
こんな事を言う彼が 何を考えてるのか
この時の僕には全くわからなかった
「スイカが冷えてるから🍉
屋上で一緒に食べよう!」
うぉ-し-ふぁん し-ぐぁ
wǒ xǐ huān xī guā
『我 喜 欢 西 瓜 』
(僕スイカ好き!)
そういうヒロに
でっかいままのスイカをあげると
腰掛けたベンチで足をぶらんぶらんさせながら
抱え込んだスイカを
スプーンでくり抜いては
おいしそうに頬張っていた
なんか 食べる姿がかわいい
僕も一心不乱にかぶりつく
するとヒロは僕に向かって
ぷいっと種を一粒飛ばしてきた
「あー!やったなー!」
『ふふん』
彼はいたずらっ子のように
僕を見て笑った
そのあとはお決まりの
種の飛ばしっこ
なんだか 遠慮する必要のない
”いい友達”って感じたひと時だった
「ああ、汁ついて汚れちゃったね
僕の服貸してあげるから
着替えなよ!
はい、シャツ!」
『うん、ありがと・・・
ちょっとバスルーム貸して!』
彼はシャツを持ってバスルームへ行った
僕は「ついでにシャワー浴びてもいいよ」と言いに
バスルームへ行くと
すでに上半身裸になった
彼の後ろ姿
その背中を見て
僕は背筋がぞっとして
声が出なくなった・・・
僕のシャツを素早く羽織った彼は
声も出ず 立ち尽くす僕に
『見たの?』
彼はこわばった表情になる
僕はすぐには答えられなかった
だって彼の背中には・・・・
無数の痛々しい
傷跡があったんだ!
つづく