寒かった冬が過ぎ
暖かな春が訪れ
季節が初夏の準備を始めたころ
僕の庭では
今年もまた
大輪の花を咲かせてくれた
【白牡丹】
忙しい中でも
できる限り世話をし
それに応えてくれるかのように
毎年
純白の花を咲かせてくれるこの子
なんだか今年は
いつもよりもさらに輝きを増して
美しく感じる
そんな白牡丹を見ていたら
あの子の事を思い出した・・・
ひと冬だけを 僕と過ごし
いなくなってしまったあの子
家に帰る気になったのかな？
元気にしてるだろうか？
突然やってきたと思ったら
急に消えちゃった不思議な子
くるくると 明るく笑う子だった
毎日一緒に過ごしてたから
いなくなるとさびしいもんだな・・・
僅かな間でも
こんなに愛着が湧いてしまった・・・
僕に寂しさの置き土産をするなんて
全く 罪な奴だよ
だけど
翌年も彼は訪れた
それから彼は
毎年初冬に来ては
春になる前に帰って行くという
不思議な行動を繰り返した
彼は一体・・・
つづく
