数ヶ月後、夕方になり辺りが暗くなりはじめると、なんとも言えない不安が込み上げてきた。

 世界が狭くなり、僕だけ取り残されるのではないか。そして、以前、電車の中で感じた不安感、それはどんどん強くなる。息苦しさ、動悸がしてくる。

 やばいやばい、どうしよう。焦りで頭の中がいっぱいになる。外に買い物に来ていたが、家に戻ってからも、その恐怖は続く。

 妻に言ってもきっと理解してもらえないだろう。その日は夕食を食べたのか、その後何をしていたのかほとんど覚えていない。覚えていることといえば、布団の中で必死にこの恐怖が去るのを一晩中祈っていた。

 医療職である僕は、学生時代に心理学の講義で習った自律訓練法という自己暗示に近いリラクゼーション方法を思い出した。

 YouTubeで自律訓練法を探し「心が落ち着いている」という誰の声かもわからない音声を何度も何度も繰り返して聞いていた。

 その方法が効果があったのか今は思い出せない。

とにかく必死だった。

そしてほとんど眠ることもできないまま夜が明けた。

数日後、僕は精神科を受診する。