初めてバイトをしたのは高1の春休みで、靴屋さんでした。
その靴屋さんは地元では老舗の、
支店を何店も持ち、市内の学校指定の上履きを一手に扱っているような有名店でしたが、
私が配属されたのは一番古い、本店でした。
本店は、シャッターを開けるとドアがない、
いわゆる吹きっさらしという、有り得ない構造でした。
春などまだ遠い北国の3月。
殆んど屋外と言えるほど寒い店内。
そこで、春休みの登校日に学校に持って行き販売する為に、
学校指定の上履きや運動靴を袋詰めしていて、
いつの間に切ったのか、手から出血していたのに
あまりの寒さに手の感覚が全く無かった為に気が付かず、
真っ白い上履きを何足も血に染め、売り物に出来なくした女、
それは私。
ストーブの灯油入れなど、した事もない事をさせられ、
タンクがあまりに重いので階段の途中でタンクを置いて休憩したら、
灯油がドボドボ漏れていて、
慌てて拭いたら木造の階段が、ワックスをかけたように
ピッカピカのツルツルになってしまい、
年老いた常務を何度も滑らせ、脳天直撃させた女、
それは私。
1度に靴を運ぼうと、無理して何足も持ち、
階段の上から常務の頭上に何度も靴箱(中身入り)を落とした女、
それは私。
毛筆で店内広告を書く常務に、模造紙の端を持っていなさい、
と言われたのに思わず離してしまい、
くるーんと丸まってしまった紙を常務の顔に直撃させ、
墨だらけにしてしまったのも、私。
・・・常務・・・大変でしたね。 オホホ。
