マスク氏、テスラ株の10%を売却か
米電気自動車メーカー、テスラ社のイーロン・マスクCEOは7日、ツイッターで自身が保有する同社の株式の10%を売却する可能性を示唆し、フォロワーがその提案を支持するかどうかのアンケートを行った。
最近、含み益が租税回避の手段であると言われている。そこで私が保有するテスラ株の10%を売却することを提案する。あなたはこれを支持するだろうか?
米フォーブズ誌によると、マスク氏は昨年12月時点で発行済み株式の約22.4%となる1億9,000万株を保有しており、その価値は2,500億ドル(約28.4兆円)と見積もられており、10%だとしても2.8兆円規模に及ぶ。
アンケートには350万人超が回答し、最終的に「株の売却」が57.9%で優勢な結果となった。マスク氏は、どちらの結果になろうとも、投票結果に従うと述べていた。
ビットコイン購入につながるか
マスク氏のこのツイートには様々な意見が寄せられたが、金融アナリストのKevin Paffrath氏は、マスク氏がテスラ株の売却益でビットコインを購入する可能性があると考えているようだ。同氏は、その理由として4つを挙げた。
- ビットコインへの投資歴:最大の投資先である可能性
- インフレ懸念:現金で保有せず、他の資産を購入
- 不動産は全て売却済み:次の投資先としての可能性は低い
- テスラの支払い手段としてビットコイン採用を復活させる可能性
ビットコイン(BTC)支持派として知られる米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラーCEOは、次のような提案をした。
分散投資が目的であるなら、テスラのバランスシートをビットコイン基準に変換し、250億ドル(2.8兆円)相当のビットコインを購入することも、代替戦略とし検討すべきだろう。そうすれば税効率の良い方法で、全ての投資家に分散化やインフレ対策など多くの利点を提供することが可能だ。
また、経済ジャーナリストで自称「ビットコイン過激主義者」のマックス・カイザー氏は、実際にマスク氏が250億ドル(約2.8兆円)規模でビットコインを購入した場合、マスク氏は「金融界の新たなケヴォーキアン医師*」となる可能性があると主張(*安楽死を推奨して実際に末期患者の自殺を幇助)。ビットコインへの巨額資金の流入が「不正行為や泥棒政治、ハイパーインフレで我々を殺している、見せかけの株や債券市場の世界的な暴落を引き起こすことを祈ろう」と気炎を吐いた。