人生のドン底はいつも突然に。
家族を亡くした、離婚、リストラ...
焦燥で声も出ない、生きている心地がしない...
そんな状況のお客様を何度も施術したことがあります。
ニューヨークのスパでの出来事。
2週間前に旦那さんを亡くした未亡人が来ました。
心配した友人からプレゼントされたようです。
その頃は、セラピスト3年目で
仕事への情熱を失いかけてた頃でした。
人の身体の悪いところばかりを見つけるこの仕事は
本当に正しいのだろうか。
正直、辞めたいと思っていました。
そんな時、彼女とのセッションが
私の人生を変えました。
施術の内容は覚えていません。
セラピストとして曖昧な状態だけど、
今のお客様に精一杯与える。
気持ちを搾り取る施術だったと思う。
彼女は終わった後に、
「Your hands are God’s gift
(貴方の手は神様の贈り物よ)」
と手を握ってくれたのです。
悲しみと安らぎが渦巻く表情
そして心からでる感謝の言葉。
あの表情はいつまでも忘れられません。
「たった一人でも、このセラピーを必要としてくれる人に出逢えるなら、続けるべきだ。」
自身のセラピストライフに礎ができた瞬間でした。
その気持ちだけで続けてきたものが
私のマッサージセラピーです。
有り難いことに、日本のスタジオのお客様も、
色んなマッサージを受けてきてきたけど
何かが違う。感動する。と仰ってくださり
とても自信になっています。
セラピストであることで、100人に1人でも
この女性のような希望を持てるセッションが
できればいいな、と毎回楽しんでいます。