そこにどうやってたどり着いたか全く覚えていない。ローマから左ハンドル、マニュアル、山道に手に汗握り必死に戦いながら向かったからだ。
途中休憩も取ることもなく、いや、止まるのを怖がって、休憩も取れずにというのが正解だった。
アルバーノ湖の高台にあるカステル ガンドルフォは教皇の避暑地で、そこから眺める湖はとても美しく、ようやく着いた際はさらに解放感に満たされた。
さあて宮殿に入ろうかとすると全然入れなかったが、たどり着いた開放感からか、意外に悔しさはなく、逆にそれが中に何があるのかと想像するきっかけとなった。
きっと教皇はヘリコプターでしかやって来ないのだろうから、正式な出入口はないのだろう、とか、あるとしたら地下通路が続く湖の底に脱出用の出入口があるのだろう、と魅惑のカステル ガンドルフォを空想しながら、その小さな閑散とした門前町をゆっくりと歩いた。
初秋のカステルガンドルフォにて