383. 「 おもいでの夏 」と34年ぶりの再会 | 宿屋のおやじ日記

383. 「 おもいでの夏 」と34年ぶりの再会

こんな再会もあるんですねぇ。今から もう三十四年前・・・・・。


昭和49年の夏 池袋の映画館、当時 どこでもやっていた 土曜日のオール

ナイト三本立て で出会った映画でした。後の二本は何も覚えていない。


夏休みに ある避暑地で ( これは僕の記憶違いでした )で出あった 青年と

貞淑な奥様が ご主人を第二次世界大戦の戦争で失った悲しみの中で

結ばれる という筋書きだったのです。あまりに淡白な説明で どこが 貞淑

なんだと叱られそうですが それが そのようにキッチリ描かれているのですよ。


とにかく 夫の戦死の連絡を受けて 悲しみに打ちひしがれている女性が 

主人公とチークダンス(  当時は こんな言葉も知りませんでしたが )を始めて

自然な流れで結ばれるまでの 何分間か、レコードが終わって プツッ プツッ

という乾燥した音の繰り返しの中で、それも途切れてからは まったくの無音の

まま( これまた 記憶違いでした。海岸の波の音が繰り返し聞こえてました )

ストーリーが展開して、 その時間の長い事、長いこと、この上もなし。


周りを気にしながら 何度となく生唾を飲み下して 四時頃スタートの三作目で

すでにお尻が痛くなっていたにもかかわらず すっかり忘れてスクリーンに見入

っておりました。 


それから 何かにつけ この映画を思い出しつつも 第一に タイトルを忘れ 

女優も 主人公も 監督も何にも分からない。


レンタルビデオなどという便利なお店が出来て この映画に再会するためだけに

随分と時間をかけて探したのだけれど どうしても見つけられなかったのです。

ひとつには ジョディフォスターが女優だったという 勘違いが大きなつまずきの

元ではありました。


とにかく 素敵な言葉が続いたということはおぼえていても 具体的なセリフは

何にも覚えていなかった。今宵の ラストシーンに語られた 主人公の


「 そして僕は 幼い私を 永遠に失った・・・・。」なんて一言を、いつかどこかで

誰かのために使ったり、味わったりするのだろうかと思ったりしていたので

しょう。


今晩 ある会合から帰って 地元のケーブルテレビの洋画専門チャンネルの  

スイッチを入れたら ちょうど二人が踊るシーンで、レコードの音楽がちょうど

終わり 針のノイズ音がスタートしたばかりだったのだけれど すぐに 例の

映画だと気が付きまして 思わず 「 やった、やっと 見つけた。 」と小声を

出してしまったのでした。


それからの これまた長い ながい 沈黙の世界、もしかすると 十分を越えて

いるかもしれない。


レンタル店で探すか あるいはもう一度 このチャンネルで いつかじっくり

最初から あの頃の十八歳に戻って鑑賞してみたいものだと 強烈に念願

し始めた 宿屋の おやじ でした。