380. 表装できあがりと、有田先生の思い出
数週間前に お願いしておりました 河東 碧梧洞 氏のお軸の表装が完了
して 昨日届けられました。
月が替わったら 野口 雨情 氏のお軸に替えて ロビーに展示致します。
しぐるるや 温泉( ゆ )の香( か ) もほのと 濯ぎ( ゆすぎ )もの
と書かれております。
高校時代に 書道 美術 音楽 だったか 選択する教科があって、芸術的な
センスのさほど無い僕は 悩んだ末に 書道を選んだのでした。
一年の時の夏休みの宿題に 自己流に くずした字で 「 初恋 」という作品を
提出したら 地元でも 有名な書家であった 有田 鶴堂( がくどう )先生から
「 これは 初恋と言う ウキウキした気持ちと 少し不安定な気持ちが とても
うまく表現されている。 」とえらく褒めて頂いて 教室内に展示して頂いた事が
あったのですよ。
それからは 何もかもが クセ字 専門で 先生から直接 注意された事は
なかったのだけれど 僕の作品を見られるときに 苦笑いをされているという
うわさを聞いたのと、ある先輩から「 あのなあ、楷書 行書を始め 全ての
書き方をマスターした人が そういう くずした字を書いて いい味が出るわけ
で、お前みたいに 最初から デタラメの筆法をするのも どうかと思うぞ。」と
貴重な 御助言をいだいて 乗り越えるべき壁の高さに めまいがして 一度に
興味を失ってしまった事があったのでした。
河東 氏の字は、 その頃の 有頂天状態の僕だったら「 はいはい、フンフン」
なんて調子で書けていたのではないかと 思えるのですが、 やっぱり じっくり
見てみると なかなか 素敵な 書なのでした。
有田先生 あの時は 大変 ありがとうございました。あわせて失礼致しました。