353. 雨中の間隙ぬって ホタルバス
昨日は何ともにぎやかな 雨の一日でした。
昨夜は 団体様のご到着が遅くて ホタルバスの出発の定刻の時には 宴会
の真っ最中。まさか中止して頂くわけにはまいりませんので 小間のお客様で
御希望の方のみにて 出発いたしました。
雨が降り続いていたのですが ご到着時のお客様にも 「 もしかして止む事が
あれば出発します。ただし 飛んでいる数は 保証できません 」という御案内を
しておりました。 ほんの少し小雨になったので 弟である専務が お部屋に
連絡しまして、おひとりづつ 傘を持参で車に乗り込んで頂きましたが 意外や
意外随分飛んでいたようで 喜んでお帰りになりました。
少しピークも過ぎて 数も減少傾向にあるようですが まだまだ 一週間や
十日は大丈夫だろう、という風情の様でした。
ホタルの飛ぶ速さと 桜が散る速度 ボタン雪の落ちるスピード が ほぼ
秒速一メートルで大体一緒。 この国の民は この速さを愛でる民族の
様で・・・。と、あるフォーク歌手が 東北の いや 東海だったか やはり
ホタルの郷の高校生に聞いたという話をされていた。
毎年この時期になると 一つのシーズンを終えなければならないという自然の
働きに なすすべもなく ただ 見守るしかない自分に 時の流れの厳しさを
感じています。
朝 玄関のドアに 張り付いて ボンヤリ光をだしている 二三匹のホタルや
力尽きて玄関前のコンクリートの上で 仰向けになっている ヤッパリ数匹の
ホタルを見たら 張り付く力の残っている方には「 今年もありがとな。 いい
嫁さんはいたか。それと、子孫の確保は出来たかよ。」と話しかけ 仰向けの
彼らには 無駄だとわかっていながら 台所から 水をグラスに入れてきて
ゆっくりかけてやる。
中にはまだ動いているホタルにちょっかいを出しているアリがいたりするから
それを逃がす目的もある。 死に水ではないが 彼らにとっては迷惑かも
しれんなぁ・・・。と申し訳なく思いつつ、社での仕事が片付いて お昼前に
帰ってくると 何匹かは うつぶせ になって絶命している。
五十を過ぎて お葬式に出る機会も増えてくると このうつ伏せの姿に
しょうもなく 胸のつまる思いが増えて来たようで、 これも子供達が元気に
成長しているありがたい現実と 平行しているのかもなぁ、とも思いつつ。
とにもかくにも まだまだ元気なホタルたちよ、なるたけ早く 元気なお嫁さん
を見つけて 残り少ない、一時を楽しませておくれ。
宿屋の おやじ でした。