336. 昨夜のホタルバスは | 宿屋のおやじ日記

336. 昨夜のホタルバスは

ご希望のお客様が増えて マイクロ二台で出発しました。

小さいお子様が 一匹のホタルを大事そうに手に包まれて帰って来られました。

ただ、肉食のホタルが結構強い臭いを持っているのをご存知なんだろうか と

少し心配してみておりました。


さりとて次々に降りてこられるお客様を前に 長々のお話しを出来もせず 彼の

体験を重視することとして 「 ゆっくり 休んでね 」とだけ声を掛けておきました

が ヤッパリきちんと教えてあげるべきだったのかしらん。 

まぁ、何度か手を洗えば ニオイは取れるので やっぱり御任せです。


僕の小学校の低学年の頃には 当時 宿屋で使用していた 番傘・・・バンガサ

・・・ 御存知? ? ?  雨よけの部分が 油紙で作られて 持つところが竹で

出来た  そう傘なんです。


それを持って 今ホテルが建っているこの辺りに来ると、現在 ホタルバスを

出して鑑賞していただいている 今の 渋木地区ほどに ホタルが乱舞していて

正に数千匹。えいやっと、振り回すと 傘の中に 何百匹というホタルが 入って

きて にわか プラネタリウム。


友達と「 わーい ホタルじゃ 星じゃ 流れ星じゃ・・・ 」と 振り回しながら

走っていたら この辺りは 田んぼと あぜ道ばかりで 自分の立ち位置が 

たちまち分からなくなる。 時には 小川に飛び込んで 今度は 大笑い

しながらたまには 泣きながら 我が家に帰っていたものでした。


昭和37、8年当時の事で ホタルそのものが 珍しい対象でもなく この辺りが

なんの明かりもなく真っ暗な中で 子供の 危ないオアソビ でしたから 旅館

に帰ると洗い場のおばちゃん達から「 まーた、危ないところに行ってー。駄目

じゃないの。」・・・。「 違う。そこには行っちょらん。絶対 イッチョラン。」 と

何せ父の落雷が怖くて半べそかきながら反論しつつも 体についたあの独特の

ホタルのニオイは強烈で 疑いようのない確かな証拠物件。


当時の 宿屋のおやじ、 今の僕よりずっと若かったであろう 35才くらいで

しょうか そんな僕の父に おばちゃん方が何度か御注進に及んだみたい

だったけれど そのことで叱られた記憶はない。


 またまた ついつい 思い出話。


お帰りの時には「 におったでしょ 」って 心からやさしく 聞いてみます。