57. 「 読書 」の思い出 続き
伊豆 熱川のホテルにて 研修がスタートして 2週間が経過。最初の仕事で
ある内務 とは ルーム係りさんの補佐役として 料理の運びやお布団引き、
時には 煙草やテーブル運びなどの裏方の仕事で 順調に進んでいた。
この朝 出社してから 何か分からず気持ちが落ち着かない。体調はいいし
( ナンなんだろう。いまさら ホームシックでもあるまいに )とヘンだな変だな、
と仕事をこなしつつ昼まで過ごした。で、社員食堂でボンヤリとお味噌汁を
口にしたとたん ( そうか 本を読んでいない )事に何故か気がついた。
思えば 今までとまるで違った環境が珍しく 見るもの聞くものが新鮮で
新聞を始めとする一切の活字情報から離れていて それがイライラの原因
だと直感で思い至った 次第。
居てもたってもおられず 近所の喫茶店に走った。勤務以来初めての社外の
コーヒータイム。早速 スポーツ紙を手にして読んだよんだ。それこそ 求人欄
の全部を舐めるように読み続けた。
大好きな さだまさし さんが 「 自分の何歳かの誕生日に 出張( というのか
どうか 公演先という意味 )のホテルのベッドの上で 新聞の求人欄を見ていて
いろんな制限から、もう自分は他の産業に就職ができない事、よってこの音楽
の道を続けて行くしかできない事に気付いて 愕然とした という話をされたのを
随分後のコンサートで聴いたことがあるが なんとなく それに近い読み方
だったと思う。ふと気がついたら2時間が過ぎていて あわててホテルに帰ったが、
後にも先にも スポーツ紙を2時間もかけて読んだ事はない。
これがキッカケで 本屋を探す事に。残念ながら熱川には本屋がなくって
隣の稲取に通う事になった。この一年も いろいろ読みました。この年に
海岸線に大きなプールが完成し そこやホテルのプールでコンパニオンさん
なんかと遊ぶ事も多かったが それ以上に本に親しんだ一年であった。
以前には 「 どんな酔狂がこんな本読むのだろう 」と本屋で眺めていた
山岡荘八氏の 徳川家康40巻もこの年に読んだ。世に棲む日々 や 一連の
山岡氏の かなりの本が自分のものになった。 40巻は 本当に勉強になり
帰省したら もう一度読み返そうと 赤ペンで線を引きながら 大切に湯本に
持って帰ったが 未だ読み返せず 本棚の一番上に並んだままになっている。
そういえば 研修時代の事をあまり書いていません。おいおい思い出した
事を書き連ねていきます。
伊東に 大和館という有名なお宿があって 熱川で大変お世話になっていた
大住氏のご友人がおられた縁で 芸子( アノ頃はまだ酒席では芸者さんの
接待が主流で カラオケが出始めの頃だった )マンションを見に行った時には
30分5円の積立でこんな どえらいモノが何棟もできるのかと、「 チリ 」の
パワーを思い知った。