絶対に許さない


そう何度も心の中で呟きながら
旅行カバンに手当たり次第、洋服を詰め込んだ



もう私には自由になる権利がある
社会人になってお金もあるし
私を受け入れてくれる彼もいる
だから大丈夫



もうここにいる必要はない
大丈夫
私は飛べる



あの人の期待に応える人生なんてもう、うんざりだ
またメソメソ泣くだろうけど、もう知らない
私には関係ない
私はもう犠牲にならない



さようなら、私の部屋


ざっと見回して、少し戸惑う



大丈夫


必要なものはまだまだあるけど
全部を今持っていくのは不可能だ



大丈夫
大丈夫


あの人たちがいない時間にまた来て持ち出せばいい
それまでちょっと待ってて
私の大切なものたち



旅行カバンをひとつだけ抱えた
勇敢な家出娘



行くのね、と見つめる愛犬
彼女だけが目撃者



リビングに置いた決別の手紙
あなたたちが大嫌いです
もうこの家には戻りません、と書いた





さぁ、行こう

行ける!



私は飛んだ





なんだ
飛んでみたらなんてことない
境界線は壁じゃなくて
地面に引かれた、ただの白線



自由になった!


きっと私はなんでもできる!



夜中に疾走
終電に飛び乗る


心臓が跳ねて苦しいけれど
私の背中には翼が生えた







私が23歳の時に飛んだバンジーニヤニヤ


(*^ー゚)b グッジョブ!!