にぼと | くうねり庵(ほぼ閉鎖状態)

にぼと

 ご当地の踏み絵というのをやってみました(群馬県人用で)。全部は長いので食べ物の設問で面白いのがあるので掲載してみます。ちなみにわたくし群馬県で育ちましたが現在は東京都民です。

●おきりこみを説明するとき、「山梨のほうとうと同じなんです」と言わなければならないのも悔しい。
 おきりこみというのは小麦粉をこねてのばしたのを幅 1cm くらいに切った麺類で、下茹でしないで汁に放り込んで煮てしまうんです。山梨のほうとうと作り方はほぼ同じ。うちのほうでは「にぼと」または「にぼうと」と呼んでました。漢字で書くと、たぶん煮宝刀かな。粉をこねるところから自分で作る人もいたけど、スーパーでにぼと用の麺を売ってることもありました。

 でも、山梨名物として紹介されてるものと、うちのほうで食べてるものはだいぶ感じの違うものでした。山梨のはここの写真みたいに野菜や肉をたくさん入れて具だくさんでしょう?

 うちで作ってたにぼとはネギと椎茸と、たまに細切りのニンジンが入ってるかな~って感じのものでした。肉も入ってる時きと入ってない時があったなー。汁は醤油ベースで出汁は鰹と昆布(っていうか出汁の素)。イラストはマウスでぐにゃぐにゃ描いたのですまし汁みたいになってますが、麺を下茹でなしで汁に放り込んで煮込むので、もっと濁ってどろっとした感じになります。

 群馬の(少なくともうちの)にぼとはものすごく日常的な料理で山梨のほうとうみたいにご馳走じゃないんです。あきらかに起源が同じっぽく感じられるのに「もっと粗末なものです」と説明しなきゃならないことには若干の屈辱を感じるかも。