雪茶 | くうねり庵(ほぼ閉鎖状態)

雪茶

 一部でちょっと話題の雪茶。チベットに生えるThamnolia vermicularisという地衣類を乾燥させたものです。つまり苔の一種。トンパ文字で有名なナシ族が飲んでたお茶らしいです。
 チベット伝来の薬草茶だって珍重されてますが、実は北海道あたりの山にもきわめて近いものが生えてます。和名はムシゴケ。でも日本では薬草にする話はあまり聞きません。本草綱目に載ってないところを見ると中国でもあまり一般的な薬草ではないんだと思います。
 効き目はいろんなこと言われててはっきりしません。曰く、体があたたまり新陳代謝が高まる(ダイエットに効く)とか、暑気払いになるとか(あたたまるのと逆じゃないか?)、精神を安定させ、心臓の働きを助けるとか…あんまりいろんなこと言われると、逆に大した効き目はないんじゃんって感じなんですけどね。
 わたくしの場合、健康食品マニアとはちょっとちがうんです。あくまで変な食材が好きなだけなので、効き目のほうは二の次三の次。うまいか不味いかが先にあって、その他の良いことがあるならもっといいねって感じ。雪茶も白くてきれいで、チベット伝来ってところに引かれるものを感じて購入しました。薬屋さんとかで買うと高いですが、これは中国茶を売ってる店で買ったので安かったです。

 飲み方は、本来なら煎じ詰めて飲むそうですが、そんなこと毎日するのは大変なので、熱いお湯をさして、急須を布巾でつつんで長めに抽出して飲むわけです。味はですね、はっきり言ってほとんどお湯の味です。お湯に色も付かないし、香りもないし、お茶としては面白くもなーんともありませんでした。ちゃんと煎じると苦みがでてきます。

 そうやって飲んだあとの雪茶の出がらしには、たぶん薬効成分が残っているので、捨てないで炒め物に入れて食べてます。ヒジキから磯の香りを抜いたみたいな感じです。炒めるだけならいいんですけど、うっかり煮込むと苦くなるので要注意。いちどカレーに放り込んだらほろ苦いカレーができました。

 雪茶だけを飲み続けるのは面白くないので、桂皮(シナモンのこと。粉になってない木の皮のままのやつ)を加えて飲んだりします。桂皮からかすかに甘みが出るし、香りもいいので美味しいです。