『坂道のアポロン』という映画を観に行った。
元々このアニメ版がすごく好きだったので、実写化という知らせを聞いた時は不安しかなかったし、期待もそこまでしていなかった。

しかしどうだろう。
観に行ったその足でサントラを購入し、もう一度観たいと思うほどの素晴らしい映画だった。

芝居の良し悪しはわからないが、とても繊細で丁寧に心情を表す表情の表現力が素晴らしかった薫役の知念侑李くん。目線の彷徨い方、視線の配り方、息の仕方、言葉がなくとも心情が痛いほどわかる表情で演技をするのだなぁと思った。

アニメからできたような正しく千太郎だった中川大志くん。千太郎のもつ陰と陽をうまく使い分けた演技。まだ若いのにすごいなと思った。

ただただひたすらに可愛かった律子役の小松菜奈ちゃんの優しくて聖母のような微笑みと、悲しみを含んだ目の表情は見惚れるくらいに素敵だ。

そしてなんと言っても、薫と千太郎のセッションが鳥肌もんだった。文化祭とラストの教会。これはずっと観ていたい、聴いていたいシーン...もはやライブだ。二人とも本当に楽しそうにセッションしていて、観ているこちらも楽しくて仕方がなかった。
知念くんと中川くんが演奏シーンは全て吹き替えなしで撮影したとにことでかなり驚いている。
しかも知念くんに至ってはピアノ未経験者とは思えないほど素晴らしい演奏っぷりだ。
中川くんのドラムも力強くてとても良い。

なかなか動員数が伸びないようだが、これは映画館の良質な音響で聴いていただきたいジャズ音楽映画だ。
賛否あるのは致し方ない。万人に受けるものなどないのだから。
ただ、先入観を取り除いて観て欲しいなと思う作品ではある。
アイドルが出ている、実写化だし、若手俳優推し、、、そういったものは一旦置いておこう。
是非、映画館に足を運んでほしい作品だった。

もう一回観に行こうと思う。