小さい頃の
いつもの帰り道、
木々に囲まれた道。
いつも誰かに見られているような・・
そんな気がして、
恐かった。
坂道階段、
走って昇った。
走って下った。
それから、
何年も経った。
嬉しい日があった。
楽しい日があった。
苦しくて苦しくて、
砕けそうになった。
泣いた日もあった。
生きていけないと、
思った日もあった。
今日また
恐かったあの道。
あの日と同じ。
誰かにまた見られている気がした。
ふと、見上げた。
「おかえり」
と、言われた。
「それでも、生きていけ」
と、言われた。
そこには、立っていた。
ただ、立っていた。
大きなあなたが
ただ、ひっそりと、
あの日のまま、
立っていた。
「あなただったのですね。
私をいつも、ずっと、見ていてくれたのは、
あなただったのですね・・・
ありがとう。」
私も、立つ。
自分の根っこをこの地に
しっかりと張って・・。
そのおおきな幹のように。
幹の中にこんこんと流れる
命の元を
葉脈をつたいながら、
また、季節が巡りきたその日、
新しい息吹を産もう。
そして、
あなたに見られている喜びと共に、
坂道階段、
ゆっくりと登る。
ゆっくりと下る。

