国民の収入に照らして考えると、中国のマンション価格はばかばかしいほどの高値に思える。この矛盾に、不動産バブルの崩壊を唱える悲観論さえ上がっている。

 だがクレディ・スイスが実施し、中国経済改革研究基金会が発表した新たな調査結果はそうした考えを覆す内容だった。調査によると、裕福な世帯上位10%の08年の可処分所得は2万500ドル。政府の公式統計の優に3倍だ。

 中国経済全体でも可処分所得は政府のデータが示すよりも90%も大きい。申告されていない収入の総額はおよそ1兆4000億ドルと、同国のGDPの30%に匹敵するという。

 この数字を見れば、なぜあれほどたくさんの中国人たちがグッチのバッグやBMWを買えるのかという疑問にも説明がつく(同国の高級品業界は、他国に比べ てかなり拡大している)。エリート層の生活様式には、贈り物や賄賂、無申告収入などといった形の「グレーな収入」が大きな役割を果たしている。

 だが一方でジニ係数(収入の不平等さを測る尺度)は非常に高く、貧富の差はアメリカ並みというよりもはやブラジル並みのようだ。この格差がいずれ、不動産バブルよりもっと深刻な危機を招くかもしれない。

中国の富豪数87万5000人、6.1%増

  上海在住のイギリス人、ルパート・フージワーフ氏が創設した「胡潤百富(Hurun Research Institute)」は1日、中国富裕層の分布やライフスタイルについての報告書「2010 Hurun Wealth Report」を発表しました。それによると、中国の富豪の数は2009年に87万5000人に達し、2008年から6.1%増加。また他国に比べて若い 人が多く、個人資産で1000万元(約1億4000万円)の資産を持つ富裕層の平均年齢は39歳ということが判明しました。
 中国の富裕層はどのようなライフスタイルを好み、また若くして成功する人が多いのはなぜなのか? 同レポートを参照しつつ、「ゆかしメディア」が中国富裕層の実態に迫りました。

資産1360億円以上の人が、中国全土に140人いる

  同レポートの富裕層の定義は、個人資産で1000万元(約1億4000万円)以上の資産を所有する人のことで、中国の人口の6.7%を占めます。そのうち 1億元(約13億5000万円)以上の資産を所有する富裕層は5万5000人で、2008年より7.8%増加していました。また10億元(約136億円) 以上の資産を持つ人は1900人、100億元(約1360億円)以上の人は140人でした。富裕層の男女比は7対3で、女性富豪も増加傾向にあることがわ かりました。
 同レポートの資産は他の富裕層レポートとは異なり、投資資産、未上場会社の株、不動産、美術コレクションなどの全私有財産を含めて算出されています。
  調査は香港、マカオ、台湾を除く31の省、市、自治区で実施。都市では北京が富豪の数が最も多く15万1000人で、広東の14万5000人、上海の12 万2000人が続きました。この3都市で富裕層人数の約半分を占め、以下浙江省・江蘇省・福建省・山東省が続いています。