私事ですみません。


11月11日、今日は私達夫婦の9回目の結婚記念日です。

ガンになってから、再び初めて祝える記念日です。

5回目までは、ささやかではあったものの、主人と一緒にお祝いをしてきました。

6回目からは私が入院中だったり、寝たきりだったり、結婚記念日を思い出す事すら出来ない年もありました。


私は自分の体が辛くて、精神的にも辛くて、

孤独を感じたり、弱音を吐いたりしながら闘ってきたつもりでした。

自分には、楽しいことは無縁だと感じた時もありました。


美味しいものも食べられない、

旅行にも出かけられない、

クリスマス気分も味わえない、

新しい年を迎える、お正月の「おめでとう」も言えない、

お誕生日や結婚記念日等の記念日もお祝い出来ない…


私は年中、季節感のない病人でした。

当たり前だった「健康」が、とても羨ましく、尊いものに感じていました。


でも、こうやって再び記念日を祝う事が出来るようになった今、

孤独で辛い思いをしてきたのは、自分だけじゃなかったのだと、改めて気付かされました。

私の家族も皆、嬉しい行事や記念日はどれだけ胸が苦しかっただろうと。

そういう祝い事の時も、私は病院に入院していたり、手術を受けていたり、抗がん剤治療中だったり、寝たきりで苦しんでいたりしていたから、

きっと、私の家族もそれらの行事を楽しむ心の余裕などなかったくらい、そういう時ほど、心苦しい思いをしてきたのだと思います。


記念日や季節の行事と言うものは、一人で楽しむものでもなく、

誰かと一緒に祝うから、誰かと一緒に過ごすから、より楽しいものであって、

人生のパートナーである主人を初め、私の家族は、私以上に切なく寂しい時間を過ごしてきたのだと、今までの時間を振り返り、しみじみと思いました。

私の苦しみは、家族みんなの苦しみであった事、忘れないでいようと思います。




今日は、生憎の雨と厳しい寒さを感じる朝を迎えましたが、

ささやかながらも、心のこもった温かいお料理を用意して、9回目の記念日の準備をしようと思います。

10回目も、それ以降も、感謝の気持ちを忘れずに、お祝いが出来たら幸せだなと思います。


今闘病中の皆様も、必ず暖かい風が吹き、素敵な時間を取り戻せる日が来る事を、心底願っております。

私事の、1/366の小さな小さな今日の日の事について、読んでくださりありがとうございました。