公園のテント 「住所」と認められる | ☆ブログ版☆ 「東京ホームレス」 村上知奈美

公園のテント 「住所」と認められる

『扇町公園での住民登録を求める山内さん裁判の判決がきのう、

大阪地裁で下されました。全面勝訴です!』


こんな喜びのメールが、昨日、メーリングリストで流れてきました。

既に、ニュースなどで、知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、

"大阪の公園で野宿生活している山内さんのテントが、「住所」として

認められる" という判決が出ました。


このメールを目にした時、かなり驚きました。

だって、まさか、公園が自分の住所として認められるなんて…驚きですよね。

(※これは、公園の占拠を認める判決ではありません。)

ただ、「住所」がないことが理由で、就職活動をするのが難しかったり、

選挙に行くことができない、という現実を考えると、

現在の生活から抜け出そうと頑張られているホームレスの方々の希望と

なるものだ思います。


ニュースの内容は、こちら↓

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060128-00000012-maip-soci


また、回ってきたメールに、" 以下、転載歓迎 " …とあったので、

「当日リポート」 の部分を掲載させていただきます。

大阪の支援団体「釜ヶ崎パトロールの会」の方のリポートです。


<当日レポート>


1月27日、朝10時から靱公園現地で行われた靱・大阪城公園の
テント強制排除に反対する集会と対市庁デモを大阪・東京・名古屋
の仲間たちとともにやり抜き、そのまま大阪地裁10階1007号
法廷へと傍聴に押しかけた。30席程度の傍聴席はすぐ満杯になり、
他の仲間は廊下で待ち受けるかたちとなった。山内さんは、最前列
に座る。


昨年3月の提訴からほぼ1年、発端となった2004年2月の大阪
府警による釜パト不当弾圧(仕事探し、年金受給などのために住所
が必要な野宿の仲間に自宅アパートの住所の名義を貸していたメン
バーがいきなり逮捕され、山内さんを含めた仲間数名も長時間の取
り調べを強要された。のち、不起訴)から2年。思いもよらぬ、

長丁場の取り組みとなった。


正直、「あまり期待はできないけど、いい負け方ができれば」など
と思っていた。
昨今の情勢にくわえ、靱・大阪城の行政代執行手続きの中止を求め
る要請が地裁に却下されたばかりという状況で、とにかく裁判所の
判断はあてにできない、という思いが染み付いていたのだと思う。


着席してから、外の仲間に裁判報告を伝えるための手書きの紙

(ドラマとかでよく見るやつ)をつくるのを忘れてたな、と思い、

すこし横に座っていたMに声をかける。
「あの『無罪!』とかいうやつ、つくるの忘れてた」「あー、そうだ」

と、書きはじめてくれた。
山内さんは、「無罪はちがうだろ!」と笑っている。
見ていると赤マジックででかでかと「不当判決」という書き出しだ。
(やっぱ、負けると思ってるのかよ)と苦笑。そのあと「勝訴」と
いうバージョンもでき、なぜか私に手渡される。


そうこうしているうちに、裁判官3名が入廷し、判決がはじまる。


主文
1.被告が原告に対し平成16年4月20日付けでした住民票転居
届不受理処分を取り消す。
2.訴訟費用は被告の負担とする。


主文の朗読がはじまると、すかさず永嶋弁護士が「勝った、勝った、

勝った!」と小声でつぶやく。
文章をぜんぶ読み終わらないうちに、傍聴席は「やった!」「すごい!」

とのどよめきで包まれ、みな立ち上がり拍手の嵐となった。
私は、いまだに何が起こっているのか信じられない。


みずからの手で野宿者追い出しを繰り返し、数多くの仲間を路上死
に追い込んでおきながら、裁判では「テントはいつでも強制撤去で
きるのだから、住所としては認められない」という主張を繰り返し
てきた大阪市の担当職員・弁護士に対し、「ざまーみろ!大阪市!」
の野次を飛ばしつつ、「勝訴!」の紙を持ってみなで廊下へなだれ
こむ。「どうなったの?」「勝った!」あとは、ひたすら拍手と歓声。
こんなの、ほんと久しぶりだ!


ニュースでは知ることができない、臨場感あふれるリポートですね。

さて、この判決、皆さんは、どうお感じになられたでしょうか?


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