中国に向けて商品開発をする時、よく耳にするのがTier(ティア)だ。
Tierとは、一般的に発展レベル/マーケットサイズによる都市分類のこと。例えば北京、上海はTier 1、成都はTier 2といった具合に分類される。
オフィシャルに定義されたものはなく、各社目的に応じてTier定義をしている事が多い。
同様によく使われるのがRegion(リージョン)で、こちらは東西南北と、馴染み深い分け方である。
文化だけでなく、発展レベル/マーケットサイズに応じて分類し、マーケットを解釈しないと、大きく見誤るのが大国中国の特徴。
筆者もよく相談を受けるのが、
『Tier2はTier1を追うのか?違う道を歩むのか?』
『Tier2の将来はどうなるか?』
という質問である。
発展レベルというだけであれば、Tier1だけを見ていれば間違いないだろう。しかし、これは本当に正しいのか?
先日も同様の質問をうけ、文化の差異のないTier1とTier2で消費者分析を実施した。すると、発展レベルだけではない違いが明らかになったのである。
近代化という意味では、常にTier1が先を行くという理解は正しい。
ある程度のセンスや審美眼は、近代化に伴い身についてくる。
お金を使う行為自体を楽しむフェーズから、お金をセンス良く使うフェーズに至り、お金だけではない経験やテイストを追い求めるようになる。これらの過程はTier1が常に先を行き、Tier2/3はそれを追う。
では、他に何があるのか。
取り囲む人の違いだ。見せる対象・範囲がTier1とTier2では決定的に違う。
都市部のTier1は東京に似たもので、地方海外からの流入人口の比率が圧倒的に高い。友人の多くは大学や職場で知り合った、同じ水準にいる人達である。
一方、地元の田舎で育ち、そこで成功した人は、彼らを取り囲む友人は水準はバラバラ、共通点は同じ土地で育ったということだけだ。
この当たり前の事実が、消費者行動に大きく影響する。
会社や友人に成功を見せる時、地位や知性、金銭力をを武器にする。少しでも抜きん出ている自分を証明したい。
しかし、幼馴染や近所のおじちゃんおばちゃんに成功を見せる時、地位や金銭力を見せびらかせば、少なくとも距離感を感じられてしまう事が多い。
するとモノの選び方にもかなりの違いが出てくるのである。
文化や発展レベルだけでなく、消費者を取り囲む対象に目を向けることが、Tierの解釈と言えるだろう。
