中国の超富裕層の若者が、フェラーリに乗って事故を起こした事件は記憶に新しい。
北京の環状道路上では、高級車の比率のほうが多いのではないかと見間違えるほど、ABB(エービービー・Audi/BMW/Benzの頭文字の略)と呼ばれるドイツ御三家の車が山ほど走っている。
こんな生活をしている中国人たちはいったいどれほどお金を持っているのかと、街を歩く人、高級車を運転をする人を観察しても、イメージするセレブらしき人物はなかなか見かけない。
では金持ちはどこに隠れているのか?
われわれ庶民が行くようなところにはいないだけなのか?
富裕層だけの秘密の遊び場や移動手段があるのか?
実は、どこにも隠れてはいないのである。お金持ちの多くが、その辺を歩いている普通の人なのだ。
データを見てみよう。
引用:中国金融調査報告2015 西南財経大学
中国の都市部平均収入は71500元/年、日本円(20円換算)にすると15万円弱とまだまだ先進国と比べると少ない。
一方、都市部の個人資産平均は1,467,860元、日本円で約300万円弱である。ここまで来ると日本と大差ないのではないかと感じる。図でも一目瞭然のように、中国では収入格差が拡大しており、収入の上位10%は都市部に集中しているとも言われている。中国都市部には、先進国と肩を並べる富裕層が山ほど存在しているのである。
引用:中国金融調査報告2015
ではなぜここまで資産がもてるのか。
同調査に興味深いデータがあったのでご紹介しよう。下記は自宅保有率のデータである。日本やアメリカでは60%程度である一方、中国の保有率は90%と非常に高い。
引用:中国金融調査報告2015
1990年代以降の不動産自由化以降、中国では親が子供の結婚のために家を用意してくれるケースが多く、日本のように結婚して家のローンや賃貸料で苦しむことが少ない。さらに親が子供の面倒を見るので、共働きも十分に可能となる。すると、家庭収入と同様の車を買うことも、海外で爆買いする余裕もできるというわけだ。
実際に高級車を持つオーナーに購入予算を尋ねると、多くの場合が年収と同じ程度の予算を挙げる。年収500万円の人が、500万円の車を持つ。日本では一般的とは言い難い。
一部の超富裕層が生まれているのも確かだが、中国の急成長を支えているのがこの新富裕層たちなのである。人口の多さを考えるだけでも、チャイナパワーをお分かりいただけるだろう。
