中国で最も盛り上がる長期休暇が「春節(旧正月)」。2014年は1月31日~2月6日の7日間が休みでした。
今年は、毎年休み始めとなっていた「大晦日」の1月30日が休みでなくなり、「大晦日が休みじゃないなんて最悪だ~」などの国民の声で昨年12月から話題が集中していた春節ですが、最も話題が沸騰したのは微信の春節お年玉キャンペーンでした。
背景を少し解説すると、2012年にローンチされユーザー数が3億人を超えた「微信」ですが、最近「微信安心支付」というネット決済機能を搭載。(日本でいえば、LINEでネット決済ができるようになった感じです。)
中国ネット決済の老舗である「アリペイ」に追いつき、追い越そうと、熾烈な顧客獲得合戦を続けていました。
このような状況で微信が考えたのが「微信紅包」と呼ばれる春節お年玉キャンペーン。
多くの微信ユーザーに自社のネット決済機能を使ってもらおう(つまり、ユーザーに自分の銀行ネット口座を登録してもらおう)と企てたお年玉キャンペーンでしたが、結果として大きな成果を上げるとともに、代償も支払わなければならなくなりました。
まずはキャンペーンの成果から。
春節お年玉キャンペーンは、ユーザーが自分で設定・支払った「紅包(お年玉)」を微信を使って友人に拡散するというもの。
定額の紅包のほか、紅包の総額(例えば総額200元)と受け取れる人数(例えば40人)をユーザーが決定し、その紅包(この場合、1人5元)を受け取るために自分の友人が競い合うという2種類の紅包を用意。
春節に紅包を渡すという中国の伝統習慣に絡めたこのユニークなキャンペーンが功を奏し、大晦日から2月7日までの間でなんと、参加ユーザー数800万人、紅包数4000万個、交易金額4億元という大記録を樹立しました。
広告を一切使わず、自社のSNSとPRによる報道記事のみで樹立したこの記録。キャンペーンとしては大大大成功でした。
ところが、800万人のお金を扱うという本キャンペーンには大きな落とし穴が!
紅包を獲得したユーザーがそのお金を手に入れるためには、自分も微信に銀行ネット口座を登録しなければならないのですが、昨今中国で頻繁に発生しているネット上での詐欺事件や個人情報流出事件の影響で、多くのユーザーが登録を拒否しました。
すると紅包のお金はユーザーに支払うことができずに、宙に浮いたまま。
春節のお祭りムードがひと段落した2月10日の報道では、これに対して微信側が「本キャンペーンは突然思いつき、10数日でローンチしたちょっとした遊びのため、機能が完全ではなかった。銀行ネット口座を登録しなくても、携帯料金の支払いなどに使える新機能をなる早で装着する予定だが、具体的な時間は今は分からない」とコメントしたという記事が上がってしまいました。
微信の春節お年玉キャンペーンは、キャンペーンの成功事例とともに、リスク管理の成功事例になることができるか??
これからも注目していきたいと思います!



