118の都市が医療連合体パイロット都市に指定される

 

2019813日、国家衛健委は《都市医療連合体建設 パイロット都市リストの通知》を公布し、118の都市をパイロット地区とした。(文末のリストを参照)

 

 

2017426日に公布された《医療連合体建設および発展推進に関する指導意見書》の中で、三級公立病院の良質な資源を利用し、技術サポートや人材育成等を通じて、基層市場を今後発展していく旨が表明されていた。

今回パイロット都市が指定されたことで、医療連合体の建設がより一層推進されていくこととなる。

 

 

医療連合体内での使用医薬品リスト統一化

 

2019522日、国家衛健委と国家中医薬局は共同で《都市医療連合体建設パイロット業務草案》を公布した。

 

この文書では、医療連合体を普及させる目的は、良質で効率の良い医療衛生サービスシステムの構築であることが強調されている。そのため、医療連合体の中で統一の医薬品消耗品管理プラットフォームを作るよう要求している。それにより、基本医薬品の優先的な割り当てをはじめ、使用医薬品リストの関連性、購買データの享受、配送支払いの一体化などの実現を目指す。

 

 

プロモーション戦略の見直しへ

 

以前より製薬企業の大きなターゲットは、三甲大病院だった。未だ三級病院は大きな市場だが、昨今の医療制度改革により、医薬品市場に大きな変化が現れている。

 

様々な政策が施行されるに伴い、医薬品のプロモーションチャネルを再構築する必要が出てきた。大病院市場の動向に注目するという以前のやり方は既に通用せず、製薬企業は県級病院市場に注視しなければならない。

 

 

基層市場が急拡大か

 

今回のリストの公布により、118都市の医療連合体は、共同で責任を負い、利益を享受し、統一的な管理をし、使用医薬品リストの統一化も行うこととなる。まさにその名の通り、区域内の医療の連合体であり、資源の整理・再分配による効率向上を図るのだ。

 

医薬品業界にとっても、プロモーション効率向上と言える。製品が医療連合体で使用され始めれば、そのシェアは急速に拡大するため、実際の業務量は変わらないにも関わらず、その製品のシェアを高めることができると考えられる。

 

もちろん製薬企業にとって、「医療連合体の推進=消化量向上」とは単純に言えない。市場変化に応じた、ターゲット及び資源配分の見直しが必要である。