4+7および一致性評価の影響で、国内のジェネリック薬市場の競争が日々激化し、さらに輸入ジェネリック薬の進出も依然として続いている。

広西省において、一致性評価を通過していない製品がまたインターネット上取引の資格を取り消された!

2019年5月9日、広西チワン自治区公共資源交易センター医薬品および医療機器集中購買所は通告を出し、2019年6月10日より、品質および治療効果において一致性評価を通過していないジェネリック薬の広西省でのインターネット取引資格を一時停止する旨発表した。

 

この措置に関連する製品は主に、Atorvastatin Calcium Tablets、Macrogol 4000、Risperidone、Sodium Bicarbonate Tablets、Cefuroxime Axetil Tablets、Metformin Hydrochloride Extended-release Tablets、Metformin Hydrochloride Tablets、Cetirizine Hydrochlorideの8つがある。企業数では94の企業に上り、恒瑞・白云山・华北制药・华润双鹤など有名企業も少なくない。

 

1.一致性評価 未通過のジェネリック薬

 

広西省が一致性評価の未通過によりインターネット取引の資格取り消しをした医薬品のリストを公表するのは、今回で既に3回目である。

また同日、江蘇省公共資源交易センターも同様のリストを公表した。広西省でも言及されたMetformin Hydrochloride Extended-release Tablets、Cetirizine Hydrochlorideなどの他、江蘇省ではAmoxicillin、Rosuvastatin Calciumなどの種類もインターネット取引を一時停止され、関連企業は122社に上った。

 

一致性評価未通過の製品が各地でインターネット取引を停止させられるという動きは、今後ますます増えていくとみられる。先日国務院办公厅が発表した《ジェネリック薬品質および治療効果の一致性評価の展開に関する意見書》によれば、同じ種類について一致性評価を通過した企業が3社以上となった場合は、未通過のジェネリック薬を選定しないとしている。一致性評価事業の絶え間ない推進や、広西省などの地方での一連の動向から見て、市場における追放の動きは既に始まっていると言える。

しかし、地域によってその選択範囲や具体的な製品種類は異なり、インターネット取引停止の進捗度合いも異なっている。例えば北京において制限されるのは、4+7集中購買に関わる製品に限られる。

2019年に入って以降、江西省・黒龍江省・湖北省・広西省・江蘇省など多くの地域で範囲の拡大が続いている。

取引の一時停止は、ジェネリック薬 市場大整理の“一つ目の板斧”なのだ。

 

“2つ目の斧”は、承認の取り消し

 

承認の取り消しによりジェネリック薬市場を整理する方法が、江蘇省などで採られている。

2018年末、江蘇省人民政府はジェネリック薬開発・保障奨励セミナーを開催し、品質が低下し、一致性評価を通過できないジェネリック薬についての対応を強化し、市民により高品質で安価なジェネリック薬を広める旨を示した。

先日国務院办公厅が発表した《ジェネリック薬品質および治療効果の一致性評価の展開に関する意見書》によれば、期日までに一致性評価を完成しないものについては、再登録を認めないとしている。ただし2018年12月末には、「2018年までに国家基本薬物の289品目について一致性評価を完成させる」という当初目標が延期発表されており、一致性評価を通過しないジェネリック薬が承認を取り消されるか否かは、引続き観察していく必要がある。

 

“3つ目の斧”は、医保支払い限定価格

 

まだリスト入りしていないものであろうが、一致性評価未通過によりリストから外されたものであろうが、一致性評価未通過の製品は非常に苦しい状況に置かれている。

2019年3月5日、国家医療保障局は《国家組織医薬品集中購買および試行地区での医保付帯措置に関する意見書》を発表。その中で、同一の一般名で一致性評価を通過していないジェネリック薬については、2019年の医保標準価格が入選製品の価格を上回ってはならないと明確に規定している。医保標準価格を超えた分については、保険加入者が自己負担することとなる。

もし患者が標準価格より高い医薬品を選択した場合、差額を自己負担しなければならないということだ。このような状況で、一致性評価未通過の製品が高い金額を維持することは難しく、次第に市場から淘汰されるのは自然な流れである。特に4+7集中購買後に市場が縮小している状況下において、この流れは顕著に現れるであろう。

 

2.輸入ジェネリック薬が一致性評価を通過、刺客となるか?

 

4+7の後、国内のジェネリック薬市場がまさに未曽有の熾烈な競争に直面している一方、輸入ジェネリック薬は既に市場に進出し始めている。

先日、Novartis傘下Sandoz子会社のLek Pharmaceuticalsが生産するRosuvastatinが一致性評価を通過したと発表された。これは、中国で初めて一致性評価を通過した輸入ジェネリック薬である。

つまり、中国でのジェネリック薬競争は国内企業間の争いではなくなったということだ。

以前より、Sandozを含む国際的に有名なジェネリック薬企業の中国市場における状況は、決して目立つものではなかった。しかし、中国という巨大なジェネリック薬市場に関して、国外企業が傍観するのみで済まないは明らかであり、更に折よく4+7後にジェネリック薬市場の構造が再構築されているこの時期に、輸入ジェネリック薬が一致性評価を通過したことは、決して看過できない。

 

一つの製品のみについて見ると、Sandozが今回承認を得たRosuvastatinの状況は楽観視できるものではない。Menetのデータでは、この製品の2017年中国公立医療機関における販売額は50.2億元、2019年5月9日までに、Rosuvastatinの一致性評価を通過、または通過する見通しである企業は既に6社ある。さらに、オリジナル薬であるAstraZenecaのCrestorも市場では安定したシェアを保っている。後進のSandozがこの分野で市場をこじ開けるのは難しいと言えるだろう。

しかし、輸入ジェネリック薬ということで言えば、これは間違いなく価値のある試みである。中国のジェネリック薬市場は巨大であり、日ごろから価格合戦が行われているという状況で、安定的な供給ができ、優秀なプロモーション能力があるということは、市場における包囲網を突破できる可能性がある。

Menetによれば、現在までで15の輸入ジェネリック薬が一致性評価の申請を行っている。SandozのRosuvastatin以外では、Novartis傘下HEXAL AG Salutas Pharma GmbHのCitalopram Htdrobromide Tabletsも申請を行っているが、まだ承認はされていないとみられる。これ以外の13の一致性評価 追加申請はどれも審査中である。

 

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