国家医療保障局が公布した《2019年国家医保医薬品リスト調整草案》(以下《草案》)によると、2019年国家医保リストの調整は以下の5段階に分かれる。

 

・準備段階(1~3月)

1)草案を作成し、関連部門および社会の意見を募る

2)専門家チームを組織、データベース構築

 

・審議段階(4~7月)

1)医保医薬品諮問調査

2)選択リストの確定(非医保の基本薬を重点とする)

3)専門家投票

4)調整後リストの確定

5)リストに載った医薬品に対する関係企業の意見を募る

 

・リスト公布段階(7月)

1)通知の作成

2)通知案に対する意見を募る、および調整状況を通達

3)新版のリストを作成、仮医薬品折衝リストを公布

 

・折衝段階(8~9月)

1)企業が折衝の関連資料を提出

2)専門家の見積もり類測、見積もり意見の提出

3)専門家と企業の折衝、医療保険償還基準の確定

 

・リスト参入(9~10月)

1)折衝に成功した医薬品がリストに入る。同時に管理および執行の要求

 

既に5月に入り、審議段階の中期に突入している。5、6月は各製薬会社にとって非常に重要な時期であり、医保リストに入るかどうかはこの2か月にかかってくる。

 

医保リストに入れば、大幅な増収が見込まれる

 

安信証券の研究報告によれば、2018年は2017年版の医保リストおよび2017年医保折衝リストが実施されて、初めて完全な年度となった年である。PDBサンプル病院のデータに基づくと、新たに医保リストに入った製品の実消化には明らかな促進作用がみられる。

2017年医保折衝では、極めて多数の製品が“薄利多売”を実現、2018年の売上高および実消化の増加は顕著である。例えば、Lenalidomideは60%値下げしたが、医保リストに入った後の売上高は523%増加した。

医保リストに入るかどうかは、各企業にとって非常に重大な意義があるのだ。

 

どのような製品が、医療保険に入る見込みがあるのか

 

《草案》によると、今回の医保リスト調整については、基本薬、癌や希少疾病などの重大疾病治療薬、慢性病治療薬、小児薬、救急用薬等が優先的に考慮される。特に臨床における必要性、安全性、価格の合理性をきちんと証明できているものが優先的に選ばれる。

上述の内容に従い、安信証券は2018年基本薬リストの非医保製品、並びに2017-2018年にはじめて中国で販売開始されたもので医保リストに入っていない製品のリストを整理した。これらの製品のいくつかは、医保リストに入る見込みが高いとみられている。

 

どのような製品が、リストから外れるのか

 

医薬品監督部門から生産、販売、使用を禁止されているものや、専門家の審議において医保の医薬品としての要求や条件に合致していないとされたものについては、リストから外れる可能性がある。

その他、《草案》では医保の仕組みを優れたものにするという考えに基づき、リストの範囲を広げないと強調されている。そのため安信証券では、補助的医薬品もリストから外れる可能性があるとみている。

《草案》でリストに入らないとされている種類は以下のとおり。

栄養補給を目的とする医薬品、絶滅危惧動植物を含む生薬、予防ワクチンや避妊薬等公共衛生医薬品、減量、美容、禁煙等の医薬品、非処方薬(OTC)

2016年の調整草案文書と比較して、今回は“地方乙類調整増加が比較的多い医薬品を重点的に考える”という部分が削除されている。そのため、地方の医保リスト(PRDL)の力を借りて国家リスト(NRDL)入りするという方式が難しくなり、以前はリストに入っていた製品が今回は外れるという可能性も出てきているのだ。 
 

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