ピエロとスイカと88ライダー (2010)


全く興味ない大御所?バンドに、全13曲13のミュージシャンが集う。 

まずゴレンジャイばりのアホアホジャケ写を見るだけでヤバいと思う。しかし、このピエロのオッサンを侮ってはいけなかった。

基本的に底抜けに明るいロックンロールで、メロディラインもきれいだったりする。ブルーハーツに遠藤ミチロウを足しても余りある。メジャー調の曲は、どこか間抜けに聞こえるものだが、ここまで突き抜けると爽快感すらある。 

中盤以降に怒涛の盛り上がりを見せ、つまらない曲もそれなりにあったが、落第するほどの残念賞はなかった。


ほぼ唯一既知のバンドであるメリー『新宿ナナ』は、堂々たる2位であった。リードギターが下手ギターだったら、もう一段上に行けたかも知れない。最も暗くスピード感ある曲だが、ギターソロがやや物足りない。上手ギターは万能タイプ?だが、詰めが甘い。

似たような曲でメタルもあったが、順位は低い。メロディも悪くなかったが、基本的にメタルはイカサマでありキリストだ。スピードとテクニック、激しさだけで私は騙せない。ゆえに女の美声と艶が必要なのだ。 


同列3位に、超ハッピーなCUBISMO GRAFICO FIVE『ラッキーライフ』、キスしてブギウギヒップフリフリの怒髪天『WHISKEY ROCK 』、アゲアゲ絶頂ミキシングのDJ OZMA『DRINKIN BOYS 』など、その下も複数良曲あり。基本退屈なトリビュートとしては、最高の出来といっていいだろう。 


そして1位、トリにレベチのオッサン現る。軽快なアコースティックのピースフルな武藤昭平withウエノコウジ『俺達いつでもロックバカ!』 

歌が巧すぎる。ややがら声だが、嫌みはなく円やかだ。ベースも相当にレベルが高いだろう。エレキで聴いてみたい。 

このオッサンものすごい人かも知らん。ギター兼ドラム兼ボーカルで食道癌?仏教系ジャズ何とかロック?あのつまらんジャズをどうロックしたのか気になる。 


ブルーハーツのトリビュートに、ニューロティカがあって、カスリもしなかったのが気になるが、これだけの集合カバーが出来るほどなので、いいバンドに違いない。 


SS 


オッサンといえば、汚くて、変態で、ケチで、嘘つきで、強欲で、狂暴で、臭くて、葬式まっしぐらの老害と思われがちだが、世界はオッサンに始まりオサーンに終わるのだ。