「カエサル、お前もか」 | 脳内マスターベーション

「カエサル、お前もか」

塩野 七生
ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8
「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」
カエサルの言葉です。
正義を掲げるどっかの大統領にもきいて欲しいお言葉ですね。でも、確かに私も見たいと思う現実しか見てないかもしれない。だって現実をありのままに受け止める、なんてことは実際にできるのかどうか疑問。現実のすべてを理解するなんてのは神の領域だし、やっぱどっかで自分の都合のいいように解釈して頭の中に入れてしまってる気がする。
歴史の本を読んでると、「なんでお前はそんなことするんだよ。失敗するに決まってるのに馬鹿やん」なんて思うことがよくある。史記の作者である司馬遷は「歴史を書くことで一番面白いのは、過去の偉人、権力者たちをこきおろすことだ」といったそうですが、まさにそのとおり!歴史を読む場合にもにも当てはまる。それまですごいことを成し遂げてきた人たちが、後から見れば馬鹿でも分かるとんでもない過ちをひょこっと犯してしまう。有名どころではナポレオンや秀吉しかり、多くの場合、見たいと思う現実しか見なかったのが原因。そういう失敗を見るのが楽しいし、なぜ成功したのかを考えるより失敗の場合を考える方がよっぽど勉強になると思う。
どんな時代においても、現実を俯瞰できる目を持っておきたい。それが時代に流されない真の自立につながるんだろね。でもあんまり冷静なのもつまらんかも。とち狂って失敗するのも人生における大切なエッセンスよね。うーん、やっぱバランスだな。とベタな〆でまとめることしかできない自分にイラつく。
そういや、そういうカエサルさん、あんたも暗殺計画に気づかず殺されちゃったやん。「ブルータス、お前もか」じゃなくて「カエサル、お前もか」と言ってやりたい。