先輩が好きで好きで仕方が無い。
どうしてこんなに先輩を
好きでいるかと言うと、
1年も経たずに私の気持ちを
動かした人達だから。
数日前に試合があった。
実力、又は運次第で
県大会に出場できるかもしれない
試合である。
女子は人数が少ない為、
私は強制的にレギュラーとして
団体戦に出場することになっていた。
試合に出るのは初めてじゃないのに、
吐いてしまうんじゃないかってくらい
緊張する。
結果的には県大会にはいけなかったけれど、
今までの人生の中で
『成長したな』
と1番感じる場面が
この1日にはあった。
自分の試合の1つ前になると毎回、
「頑張ってね」
「ちもちゃんなら大丈夫だって」
「姿勢良くね」
と声をかけてくれる先輩。
中でも1番自分を支えてくれた言葉は、
「ちもちゃんって凄いよね、
頑張れって言うと必ず結果残してくれる」
一見利用されているように見える、
と言う人は少なくないと思う。
でもこの言葉が、私のことを変えた言葉。
1年生で、
未熟で、
部活をサボったことだってあって
遅刻だってする。
こんなダメな1年生への
小さな
ほんの僅かに見えた 期待 が
私の力になった。
答えなくちゃ。
何としてでも。
答えたいと思った。
この時初めて、
緊張が解れて、
その代わりに。
泣きそうな程、胸がいっぱいになった。
今この背中を押されてしまったら
自分は多分泣いてしまうだろうから。
ずっと前だけを見ていた。
泣かないように、
涙がこぼれることの無いように。
たった一言の言葉で、ぐん、と、
私の中の何かが伸びた気がした。
この日初めて、本気で。勝ちたかったと思った。悔しいと思った。
この日初めて、泣きたいと思った。
この日初めて、
今までに無いくらい褒められた。
言葉には力があるって、
小学校の先生が言っていたのを思い出した。
本当にそうだ。
この事は多分
忘れることは無いと思った。
『先輩』
今は呼ぶ立場の私も、
そのうち呼ばれる立場になるのだろうか。
いつか出来る後輩にも、
こんな体験をさせてやりたいと思った。
「先輩。」
私もいつか
先輩みたいになりたい。
その日、目標がまたひとつ増えた。