幼い頃の夢はいつだって漠然としてる。
でも、それは今思い返すから漠然としてるなと思うだけで
当時は本気だった。
小さい頃私はいつも鳥になりたいと思ってた。
答えは簡単。
何処へだって行けるから。
なりたいと思うものに当然なれると思っていた幼い私は
「でも、どうやって眠るのかな。」
「足がとても細いけど、大丈夫かな?」
と鳥になる事に対して、一抹の不安まで抱いた。
当時、いつも買っていたハンバーガー店の入口にはツバメの巣があって、
毎年3月から4月ごろになるとそこでひなに餌をやる母鳥の姿を見ていた。
その巣は毎年毎年壊れた部分だけを直すようにして作られ、毎年同じように小さな雛が
顔中を口にして餌を持ってくる親鳥を待っていた。
ハンバーガーが出来上がるまでの数分私はその様子をじっと見て待っていた。すごく幸せな時間だったことを今でも鮮明に覚えている。
いつからかそこにツバメは来なくなった。
ハンバーガー店の店長さんだってそこに巣があるのは知っていたはず。
そこに来ていた事だってい知っていたはず。
それでもツバメが来なくなってから3年ほどはそこに巣はあった。
来なくなった巣は、いつ戻ってきてもいいんだよと語りかけるようにそこに寂しく残っていた。
いつしかその巣すらなくなった。誰かが掃除したわけではない。自然が消し去った。
同じようにして私が鳥になりたいと思っていた夢も成長するにつれ消えていった。
でも今でも空を飛び交う鳥たちに憧れを抱くときはある。
それはどこにでも行けるからという簡単な理由ではなく、
鳥の生き方に惹かれるからだ。
鳥は私にないものをたくさん持っている。いろんなものをたくさん詰め込んでいる。
海を渡って海にたどり着いたとき
今まで見ていた景色とは違う光景を目にした鳥は何を思うのか。
ぜひ聞いてみたいものだ。
源さんはいやだけどね。w
