【キューバ・カストロ元議長死去】
キューバのフィデル・カストロ元議長が亡くなった。
キューバ革命から反米の姿勢を崩さず、世界に影響を与えてきたカリスマの死。今後の影響もかんがえてみる。
時事通信からニュースを引用する。
『1959年にキューバ革命を成し遂げ、反米勢力の精神的支柱として国内外に強い影響力を与えたフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日、死去した。
90歳だった。死因は明らかにされていない。
実弟のラウル・カストロ議長が国営テレビを通じて「キューバ革命の最高司令官が今夜(25日夜)午後10時29分、死去した」と発表した。
遺体はフィデル氏の生前の意向で火葬され、9日間の服喪期間を経て12月4日に埋葬される。葬儀委員会が26日に開かれ、詳細が公表される見通し。
半世紀近く国を統治したフィデル氏が2008年に議長を退いた後、キューバはラウル氏を中心とした集団指導体制に移行しており、フィデル氏の死去が政権に与える影響は限定的とみられる。
ただ、ラウル氏は既に18年の引退を表明している。米国と国交を回復した政権が世代交代を急ぐ中、カリスマ的指導者の死は、変化の時代を迎えた国民の動揺につながる可能性もある。』
アメリカのすぐ目の前にあり、アメリカの裏庭と言われていた中南米カリブ諸国の中で、キューバ革命を成し遂げたフィデル・カストロ氏。
カストロ氏の評価は政治的思考によって大きく二分されるだろうけど、「反米の精神的支柱」として、故ベネズエラのチャベス元大統領を始め、多くの世界のリーダーに影響を与えてきたのは事実。
中南米でいまだ人気がある故チェ・ゲバラ氏などと共に60年ぐらい前にキューバを舞台に革命を起こした。そのカストロ氏の流れをくむ政権がいまだに続いているのは、ある意味世界的に見ても驚くべき事実だ。
米ソ冷戦時代は崩壊したソ連側にキューバはついていた。その東側の親分であったソ連が崩壊し、東側諸国の内の貿易体制が一気変わって、砂糖や葉巻など一部の輸出に頼ってきたキューバ経済は崩壊した。
そんなキューバが世界でそれなりの存在感を保ってきたのは、ひとえにフィデル・カストロ氏の影響だ。
カストロ氏は2009年に国家元首の職を退いて弟のラウル氏に移譲したので、記事に書かれているように、亡くなったことによる政権への政治的影響は限定的だろう。
かつて対立していたアメリカとも国交を回復しているしね。 ただ、世界でも稀に見る革命家であったカストロ氏の死は、やっぱり見えないところで影響はある気がすんだよね。だって、カリスマでしたもん。
ただ、どんな形で影響が出てくるのか・・・。 来年は過激な発言をしてきたトランプ氏がアメリカ大統領になりますしね。
キューバからの移民問題を取り上げたりする事もでてくるのかな???
カストロ氏に影響を受けてきた中南米の左派政治も、色々変わってくるのかな???
それにしても、「革命か死か。勝利の日まで」の強烈なスローガンを掲げていた革命家のフィデル・カストロ氏が、暗殺未遂が600回以上と言われているのに、90歳と言う天寿を全うされた事は正に奇跡だ。
世界の超大国であったアメリカを敵に回して、天寿全う。それも、アメリカの目の前にある小さな島国キューバでね。
状況を客観的に見ると、凄くない?
しかも、そのキューバの政治から既に離れているのに、亡くなったニュースが世界的ニュースになるんしね。
カリスマ性と言うか、人を惹きつけるリーダーシップは天才的才能があったんだろうね。
自分の考えを人に上手に伝え、それを心にまで沁み込ませる素晴らしい技術があったに違いない。じゃないと、絶対的な味方を作れないのではないかな?
暗殺未遂だって、カストロ氏1人だったら、防げないものもあったことだろう。
かつての同志、チェ・ゲバラ氏とは対照的な人生を歩まれたカストロ氏。
2016年の今年は、世界の歴史が大きく変わるきっかけになる年のような気がするな。
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