物心ついた時から

親はパチンコへ通っていた。


幼稚園のバスで私が帰ってくると

2人でパチンコ。


私はパチンコ屋の中を走り回って、

親が諦めるまでひたすら待っていた。

同じような家庭の子供と、

夜になってネオンが光り始めるまで

駐車場で遊んでいた。

子供向きのジュースなんて売っていないから

おじさんが飲むような栄養ドリンクがジュース代わりだった。

何度親のいる台に行っても私を見ない。

二度ぐらいおじさんにさらわれそうになった。

見知らぬ人にひき逃げされて足を骨折した。

それでも親はパチンコをやめなかったし、

親がいないのが寂しいから私もついていった。

毎日煙草の匂いにつつまれて、

それでも親のそばにいるから幸せだった。


小学校にあがると、パチンコ屋も規制が厳しくなったのか

子供の出入りができなくなった。


小学校から帰っても親が家にいた試しがない


私が寂しいから行かないで、と言うと

ごめんねと言って出ていく。


どうしてそんな場所行くのって怒ると

私が好きなおもちゃを渡して出ていく。


どうしても行かないで、と泣き叫ぶと

「いつまでも泣いてんじゃねーよ」とキレて出ていく。


お腹が減って、家の中のものを食べ散らかして

帰りを待つ私に

お金や物を渡して

ごめんね、私が悪かった、と笑いながら言う。



祖父母にも友達にも、パチンコ行ってるって言うな。絶対に言うな。

そう口止めされた。キレた時の親はヒステリーを起して怖いから

誰にも相談できなかった。

寂しいとすらいえなかった。

寂しいと言いたい相手は毎日パチンコへ逃げていた。




パチンコに行かなかった日は無かった。

パチンコをしていない時は酒かタバコ。


そんな女から私は生まれた。

一人暮らしを決意した。


親と一緒にいたくないから。


ただ、一度実家に戻ってきただけに

言い出しにくい。


何で?って言われて

理由はあるけど

それで親が逆ギレしそう。

引っ越すまでのひと月、家の中が険悪ムードになりそう。


でもそんなのは構っていられないぐらい

家を出たい、出なくちゃならない。




今年で親がパチンコ依存症になってから約20年


何度も裏切られてきました。

僅かばかりの運の悪さを恨むのは

贅沢だとわかっているけど

傷ついた心には何もひびきませんでした