多分相当焦っているオレに気づかず雅紀がしゃべる。


「なんかすごく気が合っちゃったんだ。
そのコも同じ学校から進学した友だちいないんだって。」
「ふ、ふーん…」
「料理も得意で、写真見せてもらったんだけどめっちゃすごいの。
イタリアンが得意って言ってたけど、スイーツとかもいっぱいあってね。で、そんなの含めて週末はいろいろ教えてもらおうかなって」


教えてもらう?
雅紀が?
いつ誰とどこでっっ??


て、落ち着けオレ。
雅紀はちゃんと教えてくれてるじゃないか。


週末、そのコに
……どこで?



「えと、雅紀。どこで何を教えてもらうって?」
「どこでって…まずはお茶でもしながら話を聞こうかなって。服のセンスなんかもめっちゃよくてそこも気になるんだよね。僕としては」
「そ、そうか。
じゃ週末のスケジュールはいっぱいなんだ。」


雅紀の嬉しそうな言い方になんだか敗北感を感じたオレ。
情けない…





「……わかった。
今度雅紀の都合のいい日を教えて。
オレも週末は松本の茶道教室の準備があるのを忘れてた。オレは茶会自体には参加しないけどな。」



じゃあね、おやすみ
翔ちゃん、目つぶって。
—ちゅっ///


スマホ越しのちっちゃなキスが
いつもより切ない気がした。