「そ、そろそろ戻らなくちゃ。
櫻井さんが待ちくたびれてるかもしれないよ。」
「ああ、そうだね。オレとしてはもうちょっとマーくんをこうやって、」
カズくんはハグの手を少し緩めて
「久しぶりにむじむじしたいんだけど
、、、うれしいじゃん」
むじむじっていうのは僕らがちっちゃい頃にやってた遊び。
後ろでも前でも
ぎゅってくっついて
おでこなんかをくっつけて
なんでか笑っちゃう他愛もない遊びなんだけど
カズくんがむじむじ〜っていいながらまたくっついてすぐに笑って
僕も笑った。
「あはは、ホントにもう行かなくちゃ。」
「生徒会長キリンになってるかもね。それに
こんなとこ見られたらそれこそ怒られるかもwww」
カズくんはするっと僕から離れてドアに向かった。
「鍵、大野先生に返さなきゃだから、マーくんは先に戻ってて。あ、外で生徒会長にジュース渡すのもいいかもね。」
—え?鍵は大野先生が貸してくれたの?
いつどこで?てか大野先生今日学校来てるの?
カズくんはうふふって笑いながら廊下を歩いていった。