「なんで、謝るの?オレに」


カズくんの声がすごく冷たく聞こえて
今度は僕のほうがカズくんの顔を見れなくて下を向いた。
カズくんが怒るなんて、いつぶりだろう。
僕の記憶にはほとんどそれがない。



「だ、だって、、、カズくんを怒らせてしまったから、、、」
「誰が誰を怒らせたって?」
「僕が、カズくんを、、、」
「は?」


—びくっ
カズくんの声が大きくなって僕は身を固くした。
















「マーくんっっ♡」

次の瞬間、僕は思いっきりハグされた。
昔っから知ってるふんわりした強さで。
クリームパンみたいにやわらかな感触で


「え、は?ひゃぁぁっ」
「おめでとっ!
ほんとにホンキで櫻井さんに思いが通じたんだね。
めでたい、めでたい、めーでーたーいー!!」
「えええカズくん?」


カズくんはぎゅうっとした腕を緩めないで
ほとんど僕の頬にくっつくように話した。


「マーくんと生徒会長、お似合いだよ。
うふふ、オレもめっちゃうれしい。
何がいちばんうれしいかって」

—ぐりぐり

カズくんの髪の毛が僕の鼻先で動く。



「オレに最初に教えてくれたこと。
少々設定が強引だったけど。」
「設定?」
「いやいや、何でもないよ。
そっか、両思いのちゅーか。いいなぁ。
うらやましいよ。」
「カズくん……」


カズくんに思いっきりハグされて、
こんなに近くでしゃべって
他の人が見たら誤解されそうな体勢。



でも、よかったぁ。