—ん、、、

めくるめくっていうのはこんな感じのこと?
僕はショウちゃん柔らかさが欲しくて
ぐ、と頭を引き寄せた



—こつ、


僕の指先が固いものに触れ、
同時にショウちゃんが僕から

正確には僕の唇からショウちゃんが離れた。
赤く濡れた色が目に入った



「…?ショウ、ちゃ…」
「ああ、ごめん。」


眼鏡の細いフレームがほんの少し外れて
ショウちゃんの耳から浮いていた。
す、とショウちゃんは眼鏡を外した。


「あ…ごめんなさ…」
「ぜんぜん。オレの方こそ。」


離れてしまった体。
さっきまでの行為がキスが
なんだかものすごく照れくさいのと
ほんのちょっと罪悪感を、、、ショウちゃんの眼鏡を触ったから、、、感じて



僕は下を向いてしまった。
えと、どんな顔をしたらいいの?
沈黙が気まずいよ。





「自販機、売り切れでさぁ、、
って言ってもオレがほしいのがなかったってことだけど。参っちゃったよ」

カズくんがぱたぱた足音を立てて戻ってきたときに僕はやっと動けるようになって


「あれ、生徒会長眼鏡外してる。
めずらしいなあ。
って、マーくん?どうしたの?」


僕はカズくんに抱きついた。


「え、あ、お?」
「ええと、カズくんっ
僕もジュース欲しくなった、から
っ付き合ってくれない?
櫻井さん、ちょっと行ってきますっっ」


ショウちゃんの返事も聞かずに僕はカズくんを引っ張って図書館を出た。