「ハニーっ♡」

台本から顔をあげたら松本くんが僕に向かって手を振っていた。
となりに中島くんがいてばんばん肩を叩かれている。


「ハニー、少しの変更が決まった。」
「変更?何の?」
「ふふ、まず撮影はハニーが部屋に入るところから。」
「うん。カメラマンは内側から撮るんでしょ。」
「オーケー、よく知ってたな。
そのとき、友人も一緒に部屋に入る。」
「え?シーンの変更なの?」




決定稿はショウちゃんが作ったもの。僕はそれが前提で気持ちを作った、、、といえば大げさになるけど。



「ハニー、、主人公は友人、つまりオレと話を続けながら着替える……」
「いやいやこらこら、台本の内容もセリフも変えないぞ。
松本、混乱さすな。」


ぽす、と松本くんの頭をまるめた台本で叩いたのは大野先生。


「相葉、セリフや演技のイメージは頭に入ってるよな。」
「はい。」
「部屋のシーンのいちばん最初に付け加えが入る。」
「最初?部屋に戻ってきたときですか」
「ああ、ドアの外に友人…松本の姿を少し入れる。」



松本くんはにこにこしながら僕を見てる。
って、友人役が松本くん?
松本くん???