ニノの部屋に泊まるのは久しぶりで、オオノさんが帰った後にちょっとだけふたりで飲んだ。
「オレたちがうまくいってるんだから、アイバちゃん。」
ニノが僕をのぞき込む。
「ふたりがめでたく…うふふ、成就したら報告してよ。」
「な、なにを?報告?」
「だからぁ、感想付きでね♡」
頬が赤くなったニノ。え、もう酔っちゃった?
「あ、そうだ。
さっきのグッズたち、試してみる?」
「試す?」
「うん。使い方とか。
オレ、全部体験済みだもんね。ええと、」
ふら、と立ち上がったニノは
ベッドルームに行ったかと思うと僕がもらったのとは違う箱を持ってきた。
「はい、手出して。」
えええってびっくりした僕の手のひらに
とろりとした液体を落とす。
「これ、自分でスルときにも使えるんだ。
てゅるてゅるで、感触いいでしょ。
口に入っても大丈夫。」
「わ、わわわかったから。
じ、自分で試すよ。だからニノ…」
「えー。教えてあげてもいいのにぃ…」
「い、いやいいです。いいですっ。」
ニノの肩を押し戻したとき、
—ふにゃん…
かくん、とニノの体から力が抜けた。
そのまま僕の胸にぽて、と被さってきて
—すぅ、すぅ…
本気で寝てしまった。
ニノをかついでベッドに寝かせるのはひと苦労で、それでもなんとか服をゆるめて僕はブランケットを持ってリビングに移った。
ニノ、なにを言い出すかって思ったら。
本気で僕に教えてくれようとしたのか…わかんない。
それにしても。
僕がそばにいるとみんなすとんって
寝落ちしてしまうのはなぜだろう?
一種の才能?あんま、いらないや。