かあさんが食い気味に返してきた。
「だって、松本くんのお料理が美味しいから。向こうにいる間ずーっと恋しかったんだから。翔くんは毎日食べてるからわかんないのよ。」
松本は、というと苦笑している。
「あっちの家には食べるもの置いてないし、買い揃えるのも面倒だし」
とうさんもにこにこしているだけで口を挟まない。
「4月いっぱいはここにいるわよ。」
てことは2ヶ月近く…
ずっとマンションにいるってこと?
え、雅紀が泊まりにこれないじゃん、その間。
「ほら、翔さんふくれないの。
明日の卒業式が楽しみですね。私もご一緒して写真やビデオ係をしましょうか。」
松本絶対楽しんでいるだろ。
その言い方と変に力を入れた口元。
笑いをこらえてるのがよっくわかるよ。
「まあな、他にも理由はあるんだよ。」
松本に向かって不機嫌な顔をしたとき、とうさんが口を開いた。さっきとは打って変わった真面目な顔で。
「翔、
おまえに黙っていたこと、いや今言うべきことがある。」
え、いきなり?マジな話?