「…意外と片付いてるね、ショウちゃんにしては」

「“意外”と“…にしては”は削除して。」


公演と公演の間が短くてその間にも収録が入ってたし。とてもじゃないけどかえって寝るだけだから散らかる暇もない。



「ホントに気をつけてね。日本じゃないから…」


手早くコーヒーを準備してくれるマサキ。


「ん、スタッフもたくさんついてるし、大丈夫だから。」


ごくごく自然にマサキがオレのとなりに座って
少し伸び上がって耳元にくちづける。



―く、ちゅん

小さな音をたてて離れて
マサキの両腕が首に回って


ショウちゃん、オレ
行ってらっしゃいって今

…笑って言えないや

マサキの夏色の髪がオレの頬をくすぐる。

分かってるんだけどね
ショウちゃんと会えないときは
今までもあったけど

マサキの指先がオレを撫でて

地球の裏側は遠いよ
12時間は長いよ
ショウちゃんのあったかさ
薄れちゃうよ…




―ぎゅ。


マサキを優しく抱きしめて
マサキが大きく息を吸って
マサキは目を赤くして
マサキの小さな舌がちろりとのぞいて





―ん、ふぅん

深く深く探って
触れあった肌の体温を溶け合わせて













「ショウちゃん、このタブレット持ってくの?」

「うん、番組から貸与支給はあるけどま、自分用に。」


「じゃね」


マサキが自分のディパックから小さなステッカーを出してきてタブレットにぺたりと貼る。


「この子連れてって。」




「くふふふふ。無事カエル。
緑の王さまカエル。」


いつものマサキの笑い声で


「お守りがわりだよ、これなら邪魔になんないでしょ。オレはね、赤いの持ってるから。」





午前中の特番で部屋を出るオレにもう一回ハグを。

部屋の戸締まりしてから出るね。と言ったマサキにもう一回ハグを。



マサキを抱いて
朝を迎えて

夕日の落ちる前に
リオに向けての飛行機に乗る


マサキの思いと温もりをココロとカラダに焼きつけて









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つないだ この手…
続編です。

こんな感じの櫻葉さんも。


カエルのステッカーは以前お友だちからいただいたものです。
リアル可愛いの(ノ≧▽≦)ノ

Sさんありがと。使わせてもらってまーす。