マルキド サド、Marquis de Sade、SMのS、サディズムの

語源になる人物です。1740年生まれ、フランス革命期を

生きてきました。パリ6区の伯爵家に生まれ、イエズス会系の

神学校に学び、当時の7年戦争に志願し帰還します。

又、23歳で治安判事の娘と結婚。これだけ見ると、敬虔なカトリックで

愛国に燃え、貴族と言う文句のつけようのないセレブ人生なのですが、

これが違った

彼の小説の多くは、暴力、拷問、拉致監禁、強姦、SM,同性愛、獣姦

なんでも有りです。

大抵ベースは彼の属する、貴族や判事、大地主などのセレブ階級の人間が

徒党を組んで、財力とステータスをフル活用して、秘密のハーレムで、拉致、

監禁、自分の妻までも徹底的な性奴隷にし、最後は虐待後に殺す。又新たな

獲物を物色していくというものです。

この徒党集団は無神論者で自分たちが神だとしほざき、とんでもない酒池肉林

の食事、酒、SEX三昧の日々を続けるストーリーです。

ただ、これらの小説がただの猟奇的、エログロなポルノ小説として扱われず

一様、「悪漢」文学とされているのは、このアンチ宗教思想や、時の権力者

ナポレオンを象徴した登場人物を批判したりする革命思想などが含まれて

いるのでこうなったのでしょう。

日本でも仏文学者の渋澤が翻訳ものを出版するのですが、猥褻文章で

裁判を起され、改定版では性描写場面が何を言ってんだか訳のわからない

日本語版となっているのが残念です。

彼は小説を書き出したのは、獄中や精神病院に入れられた、50歳前後と言われます。

物乞いに来た女をスティックで殴り続け半殺しにしたり、マルセイユでの売春宿

(高級娼館)でアナルSEXを強要したなどで逮捕されたりなど問題をいくどか

おこしており、危険人物とされ精神病院や牢獄に収監されていました。

突如、この時期に精力的に小説の執筆を始めます。金には不自由しない身なので

刑務所内ではかなり当初は自由に振舞えたらしく、小説も獄中から出版社に渡って

いけたそうです。