タイミングが良かったのかこの時間に利用しているのは脱衣所を見る限り2人だけのようだった。
湯気を立ち上らせる浴室には誰も居ないのできっと露天風呂の方にいるのだろう。
俺達もちゃちゃっと髪と身体を洗い露天風呂へ移動した。
タオルも持たずに足早に向かう雅紀を慌てて追いかけた。
「ちょっ、おっおい!前を隠せって!」
同性と言えど見ず知らずのヤツに恋人の赤裸を見られてしまうのは好ましくないだろ。
「さっみーーーーっ。」「早く!早く!」
何とか雅紀の大事な部分をタオルで死守し身体が冷え切らない内にザブンッと勢いよく水しぶきを上げて入った。
湯けむりの奥で先に入ってた中年男性らしき2人が俺達に気づいて視線を向けたのが見えた。
「はぁ〜温か〜い。」
「気持ちいいな。」
岩風呂の壁に並んで身体を預け首まで浸かり目を閉じた。
風呂に入ると湯の流れる音だけが聞こえやっと非日常が感じられた。
ゆっくりと目を開けるとけむりが立ち上がる湯の周りに覆われた雪がライトに照らされて黄色く見えた。
「翔ちゃん、星見えないね。」
上を見上げて雅紀が残念そうに言った。
「う〜ん、今夜は曇ってるからな。」
「出発した時は晴れていたのにね。明日は見れるかな?」
「明日は予報では晴れだから見れるよ。それが目的で来たんだから見れないと困る。」
「フフフ。そうだね。明日は翔ちゃんと星空が見れますように。」
目を閉じて手を合わせ祈る雅紀が可愛すぎて笑いながらパシャッと顔に湯をかけた。
「酷いよ〜!」と雅紀もやり返して来たので2人で湯のかけ合いになり騒がしくなった場に耐えきれなくなったのか奥の2人が出て行ってしまった。
「ほら〜。翔ちゃんが迷惑かけるから怒っちゃったんじゃない?」
「雅紀がムキになるからだろ。」
「先にやったのは翔ちゃんじゃん。」
「別に良いじゃん。今、貸し切り状態だよ。」
出て行った2人に申し訳なく思う雅紀にそう言いながら腰を抱き頬にキスをすると
「ダメだよ。」と言うものの抵抗しないのを良い事に肌に触れ頬から耳、首筋へと唇を這わせた。
肌と肌が当たる度に湯が激しく揺れ唇を重ねようとしたところで人の気配がして止めた。
「のぼせそうだから俺、先に出るね。」
タオルを巻いてさっさと出て行く雅紀の背を追って俺も行こうとしたがとても湯から上がれる状態ではなく諦めて再び湯に浸かった。
旅の初日の夜「お楽しみはゆっくりと」のつもりだったのに風呂ののぼせと疲れの所為でベッドに入るとお互い直ぐに寝落ちてしまった。
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「大病院占拠」終わっちゃったね。
最終回まさかの結末だったなぁ
「なるほど…こんなふうに繋がっていたんだ」と驚きながらも話の整理が出来てスッキリした。……と、思ったのに最後の最後に「え?」とまた謎を残して終わるあたりがやってくれるよね〜
武蔵三郎VS青鬼もとい(大和耕一)のシーンは涙ものだったね




ぶいちゃん