自己満足のお話なのであしからず

Side 雅紀
「え?」
翔ちゃんは俺と目を合せないで話し始めた。
「俺の自主練に付き合ってくれてありがとな。」
「え?何で?」
「雅紀はもう完璧だ。自主練なんて必要ないだろ。」
「そんな事ないよ。俺不安だし。」
「雅紀と…雅紀とこの時間が欲しかった。もうこんな風に2人で自主練なんて暫く無いだろ?雅紀が必死で覚えて踊る姿を見るの好きなんだよ。俺も頑張れちゃうし(笑)」
翔ちゃんがやっと目を合わせてくれて笑った。
嵐としての時間はもうカウントダウンが始まっている。
翔ちゃんとはこれからだって一緒。
そして会える。
でもこうして一緒に歌って踊れる事が年内もう数えるくらいだろう。そう考えるとこの時間はとても貴重。
グスッ。寂しいじゃん…
「雅紀?」
翔ちゃんが肩を抱いて俺を見た。
「俺も…俺も翔ちゃんの踊ってる姿、見るの好き。翔ちゃんとの自主練好き。」
「そっか。」
肩を抱いていた手が俺の頭を優しく包んだ。
嬉しくて俺は翔ちゃんの胸に抱きついた。
汗で濡れたTシャツ。翔ちゃんの匂い。
翔ちゃんの首元に顔を埋めると筋トレでより一層筋肉を付けた逞しい腕で抱きしめてくれた。
「雅紀、倒れるなよ。お前の身体は俺のもんなんだかんな。」
「分かってるよ。」
「ん、なら宜しい。チュッ」
俺の両頬を包んで軽くキスをした。
ん〜ちょっと物足りないなぁと思っていると。
「お楽しみは家に帰ってからなwww。ヨシ!帰ろう。」
元気よく翔ちゃんがシャワー室へ向かっていった。
俺達はその夜自主練よりも大量の汗と愛が溢れ出た事は言うまでもない。
翔ちゃん、俺は大丈夫だよ。だっていつだって俺の心(なか)に翔ちゃんがいるんだから。
翔ちゃんの免疫もたっぷり貰って体力もあるよ。
それに倒れてる暇なんてないでしょ?
「嵐」全力でやって行こう。
1日も1分1秒も無駄にしたくないから。
「腰、いてぇ…」
「大丈夫か?www」
って翔ちゃん笑ってる場合じゃないよ。
んもうっ。体力は付いたけどこれじゃ動けなくなるだろ。
朝、カレンダーを見ると「嵐」がお休みするまで残り1ヶ月を切っていた。
ぶいちゃん
